週間ランキング、1位はCX支社長-LCCパネルディスカッションも
[総評] 今週の1位は、キャセイパシフィック航空日本支社長を務められているライオネル・クオック氏のインタビューでした。クオック氏がご就任から約半年、さらにグループとしての3ヶ年計画の初年度ということで、諸々のお話をお聞きしました。
中東系航空会社やLCCの台頭など、航空会社の世界でも競争環境は大きく変わっているところですが、クオック氏が仰るように顧客目線は非常に大切です。和製英語でマーケットインとプロダクトアウトという言葉がありますが、プロダクトアウトといっても顧客不在では成り立たないはずです。
もちろん、一口に顧客といってもFSCとLCCで想定すべき顧客像は異なるでしょうし、お客様のことさえ考えていればどうにかなるというものでもありません。クオック氏も触れられているように、現代はテクノロジーの進化によって顧客の声を知る機会や手段が無数にあり、マーケティングの世界では「ソーシャル・リスニング」などという言葉もありますが、旅行会社としても活用しない手はありません。
インターネットが万人に開放されて世界を変えたように、今後は人工知能(AI)が無料、またはごく安価に誰でも利用できる世の中が来るともいわれており、そういった意味で「AIリテラシー」のようなものが問われる時代が来た時に、そういった力を借りた次のレベルの「顧客目線」をどう実現するかが問われていくのではないかと思います。
また、先ほどLCCに言及しましたが今週4位には、日本旅行業協会(JATA)の経営フォーラムでのLCCをテーマにしたパネルディスカッションのレポートが入っています。パネリストには航空局に加えてバニラエア(JW)とスクート(TZ)、春秋航空を含む春秋グループの代表や日本支社長が名を連ねていますが、同じLCCといえども考え方には相違点も色々あるもので、興味深く感じます。
当欄では以前から、LCCであるかどうかは名乗るか名乗らないかの差であって、各社の実際のビジネスモデルはますます多様化していくと書いてきましたが、現在では米系のFSCから「ベーシックエコノミー」なる運賃が出てくるなど、LCCでなくともサービスのバラ売り的なアプローチが自然と受け入れられるようになってきています。今後はきっと、やや抽象的ですが「LCCを名乗ること」「FSCを自負すること」に各社が力を注いでいくことになるのではないでしょうか。(松本)
▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2017年04月14日0時~04月21日15時)
第1位
◆トップインタビュー:キャセイパシフィック航空日本支社長のクオック氏(17/04/19)
第2位
◆第2種の京阪津ツーリストが破産開始、負債6億円(17/04/16)
第3位
◆日本航空、仏ビジネスジェットと提携、パリ以遠でチャーター(17/04/18)
第4位
◆旅行会社とLCCの協業のあり方について議論-JATA経営フォーラム(17/04/19)
第5位
◆キャセイ、17年冬ダイヤで福岡線運休、ドラゴンは大型化(17/04/16)
第6位
◆HomeAwayとせとうちDMOが提携、21年までに年間5.5万人泊(17/04/19)
第7位
◆JATAなど、法改正で個人情報ガイドライン改定、周知徹底へ(17/04/17)
第8位
◆アエロメヒコ、セミナーでデイリー化訴求、「旅行会社に利益」(17/04/16)
第9位
◆アエロフロート、成田線好調で大型化に意欲-地方送客も(17/04/18)
第10位
◆プリンセス、19年は通年で日本発着クルーズ、好調受け(17/04/20)
※除外した記事(本来は10位以内にランクイン)
◆春闘:JTBグループ2社(17/04/18)