観光庁、てるみ問題でワーキンググループ、月内に初会合
観光庁長官の田村明比古氏は4月19日の定例会見で、このほど破産開始決定を受けたてるみくらぶについて言及し、類似案件の再発を防止するために「経営ガバナンスワーキンググループ」を立ち上げる考えを明らかにした。「新たな時代の旅行業法制に関する検討会」の下部組織として設けるもので、メンバーは学識経験者や弁護士、会計士などに加えて、日本旅行業協会(JATA)や全国旅行業協会(ANTA)など業界団体からの数名で構成する予定。4月中に初会合を開く予定だ。
田村氏はワーキンググループでの検討項目については「弁済制度のあり方やオンライン時代のビジネスの進め方、企業の監査体制、経営ガバナンスのあり方などについて、有識者から幅広い意見をいただきたい」と話した。議論の取りまとめの時期については未定としたが「できるだけ速やかに結論を出したい」という。
このうちオンライン時代のビジネスの進め方については「てるみくらぶの例を見てもわかるが、旅行会社が実力と関係なく、極めて容易に旅行取引額を拡大できてしまう時代になった」とコメント。早急に適正なビジネスのあり方について議論する必要があるとの考えを示した。
弁済保証制度のあり方については「これまでは100%弁済されたケースがほとんどで、制度は上手く機能し、旅行業界の信用・信頼性の向上に寄与してきた」と振り返り、弁済率がわずか1.2%となったてるみくらぶのケースは極めて特殊であることを強調。弁済限度額の引き上げについては「モラルハザードの問題もあるので、ただ引き上げるのではなくバランスを考えなければならない」と語った。