3月の訪日外客数は9.8%増の221万人、3月の記録を更新
日本政府観光局(JNTO)によると、2017年3月の訪日外国人旅行者数(推計値)は前年比9.8%増の220万5700人で、3月の最高記録を更新するとともに、昨年12月から4ヶ月連続で200万人を上回った。伸び率は昨年は3月末に始まったイースター休暇が今年は4月に移動したことなどにより、2月に続いて1桁にとどまった。
観光庁長官の田村明比古氏は4月19日の定例会見で、訪日外客数の伸びの鈍化について「今まではある程度勢いで伸びてきたが、今後は努力が必要なステージに入った」とコメント。他の国や地域との競争に勝つため、昨年に政府が策定した「明日の日本を支える観光ビジョン」の実現に取り込む考えを改めて強調した。
5月を目途に策定する「観光ビジョンの実現に向けたアクション・プログラム2017」については、欧米豪の取り込みを強化するとともに、訪日外国人旅行者のFIT化、ニーズの多様化・深化に対応するための具体策について検討する旨を説明。観光地や観光資源の深掘りもめざすとした。
主要市場別の訪問者数では、米国が単月として過去最高の12.6%増の13万900人となったほか、イースターの影響で前年を下回ったフィリピン、豪州、英国、スペイン以外の15市場が3月として過去最高となった。最も多かったのは中国で2.2%増の50万9000人。以下は韓国が30.6%増の48万8400人、台湾が3.5%増の33万9900人と続いた。田村氏は中国の増加幅が小さかったことについては、出国者数の伸びが鈍化していること、中国/欧米豪間の航空運賃の低下などを理由として挙げた。
伸び率が最も高かったのは、ビザの取得要件が緩和されたロシアで43.9%増の7100人。以下はインドネシアが34.5%増の3万6000人、ベトナムが31.8%増の3万600人と続いた。
前年を下回った4ヶ国のうち、最も減少幅が大きかったのはスペインで27.6%減の6300人。英国は9.6%減の3万1400人、フィリピンは7.0%減の3万4900人、豪州は4.2%減の4万人となった。
なお、3月の日本人出国者数は12.1%増の173万9000人だった。詳細は別途記載(下記関連記事)。