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トップインタビュー:キャセイパシフィック航空日本支社長のクオック氏

「顧客目線」でサービス強化
日本は既存路線に注力

-日本路線の販売戦略についてお聞かせください

クオック 旅行会社経由の販売は引き続き重要と考えている。旅行会社には我々が提供できない「旅先での体験」をお客様に提供できる力がある。OTAや航空会社、ホテルのウェブサイトで直接購入する旅行者は若者を中心に増えているが、旅行会社が重要なパートナーであることは変わらない。

 CXの関連会社には旅行会社のキャセイホリデーがあるが、我々にとってはあくまでも航空券を提供する選択肢の1つにすぎず、キャセイホリデー1社ですべての旅行需要は満たせない。私は約1年間、キャセイホリデーのマネージングディレクターを務めていたが、だからこそ既存の旅行会社の重要さがよくわかる。

 旅行会社の皆様には座席ではなく、良質な「旅先での体験」を販売してもらいたい。また、CXの機材やプロダクトについてもよく知ってもらいたい。例えば我々はエアバスA350XWB型機を計48機発注しており、このうち昨年はA350-900型機を10機受領し、今年は12機を受領する。A350-1000型機は18年から20年までに26機を受領する予定だ。

 A350-900型機のエコノミークラスには電源コンセントやUSBポート、スマートフォンなどのホルダー、6方向への調整が可能なヘッドレストなどを備えるなど、お客様の過ごしやすさにはこだわった。細かい話ではあるが、こうした積み重ねが他社との大きな差になるし、お客様へのアピールポイントにもなる。

 一方、ウェブサイトなどでの直販にも引き続き取り組む。我々にとっての直販のメリットには、お客様の思考や行動特性を知ることができることがある。例えばあるお客様が我々のウェブサイトを閲覧し、香港に関するページを5分間、バルセロナに関するページを10分間見たとする。そうした情報が得られれば、そのお客様がバルセロナに興味を持っていることが分かるので、マーケティングなどに活用していきたい。


-1月に香港ドラゴン航空が「キャセイドラゴン航空」に名称を変更しました。今後のCXとの棲み分けは

クオック CX とKAがそれぞれ独立した会社であることは変わらない。CXは中・長距離路線が、KAは中国本土や近隣のアジア諸国への路線がメインという違いがあり、大きな変更は予定していない。

 しかしKAが「キャセイドラゴン」とブランド名を変えたことで、KAがCXグループの会社であることがより認知され、2社の関連性を強調できるようになった。今後は2社でお客様によりよい旅行体験を提供していきたい。


-ありがとうございました