新旧産業に感じる"手仕事の郷"の魂 滋賀県愛荘町の旅(1)
滋賀県東部に位置する愛荘町。古くから続く伝統産業と大手メーカーの工場を擁する産業観光のまちとして近年、観光振興を展開している。3月3日に町が開いた、関西・中京圏の旅行会社を招いての現地モニターツアーに参加。湖東随一の"手仕事の郷"の魅力に迫ってきた。
近江が誇る伝統の地酒と明治天皇ゆかり元旅籠
モニターツアーには6社9人が参加。旅行会社を対象のツアーは今回が初めてで、学生や一般客を招いてのツアーも実施するなど、業界内外に魅力を伝えている。同町では近年観光に力を入れ始め、産業観光に取り組みだして2年目。ツアーをきっかけに素材の磨き上げや商品化を進めたい考えだ。
同町へはJR彦根駅で近江鉄道へ乗り換え、愛知川駅へ。まずは伝統産業を求め、江戸天保期から続く蔵元・藤居本家を訪ねた。総けやき造りの酒蔵の見学や地酒「旭日」などを試飲して、伝統の味わいの神髄を体感した。7代目当主の藤居鐵也さんは「土地の風土を反映したものが地酒です。ぜひ蔵を見学して日本酒への理解を深めてほしい」。
旧中山道の宿場町・愛知川宿では、竹平楼で昼食。こちらも創業は江戸宝暦期と伝統ある元旅籠で、明治11年に明治天皇が立ち寄った当時の状態を保存している「天皇御座所」では座敷や屏風など見どころ十分。料理は名物「鯉のあめ煮」などに舌鼓を打った。(長池貴志)
(17/04/17)
情報提供:トラベルニュース社