エア・カナダ、「世界トップ10」に向けて座席増など注力

  • 2017年4月11日

(左から)AC日本支社長のワイス貴代氏、スミス氏  このほど来日したエア・カナダ(AC)旅客部門担当社長のベンジャミン・スミス氏は4月11日、在日カナダ商工会議所が建国150周年を記念して開催した「カナダ150スピーカーシリーズ」のゲストとして登壇し、「2020年までに利益面やブランド価値などすべての指標で世界のトップ10入りをめざす」と宣言した。同社は昨夏に開催した旅行会社向けの「サマーナイト2016」でも、「10年以内に世界の代表的な航空会社のトップ10に入る」との方針を示していたところ。

 スミス氏はACのネットワークやサービスについて紹介した上で、「指標にもよるが、現在は14位から16位程度」との見方を示し、今後の「トップ10入り」に向けては、現在は21機保有するボーイングB787型機を17年に8機、18年に6機追加し、座席増や新規路線の開設に努めることを説明した。あわせてレジャー路線のエア・カナダルージュについても機材を増やし、ネットワークを強化するとした。

 日本市場については、1日あたりの乗客数が12年から16年にかけて約4割増加していることについて示した上で「非常に健全な成長を遂げている」とアピール。6月にはエア・カナダルージュが中部/バンクーバー線に就航することも強調した。現在運航している羽田/トロント線や、エア・カナダルージュが運航する関空/バンクーバー線などの日本路線については「いずれも堅調」と伝え、「今後も継続的に成長を続けていきたい」と意欲を示した。

 講演の終了後に業界誌の取材に応じたスミス氏によれば、日本路線のロードファクターは平均して80%程度で推移しており、中部線についても同程度をめざすという。同氏はそのほか「ロードファクターも大事だが、イールドがさらに重要」と強調し、ACのビジネスクラスやプレミアムエコノミークラス、エア・カナダルージュの「プレミアムルージュ」などを訴求することで、イールドを向上させたい考えを示した。