JATA、17年度の事業骨子発表、テーマは「旅行会社の真価発揮」

  • 2017年4月10日

越智氏  日本旅行業協会(JATA)はこのほど、2017年度の事業骨子をまとめ、4月6日の定例記者会見で公表した。1月の新春記者会見で18年度までの目標として掲げた、渡航者2000万人・訪日旅行者3000万人の「相互交流5000万人」の達成に向けて、主に「事業領域活動」「業界団体活動」「経営環境整備活動」の3つに取り組む。テーマは「旅行会社の真価の発揮」で、事務局長の越智良典氏は「すべての事業に当てはまるテーマ。市場は拡大しても会員企業のシェアが落ちているようではいけない」と述べ、意気込みを示した。

 「事業領域活動」では、海外旅行については2月に新設した「アウトバウンド促進協議会」による活動を推進し、需要喚起と旅行会社の取扱拡大をめざす。そのほか主要なデスティネーションとのMOU締結、すでにMOUを締結した国のプロモーション強化、プレミアムフライデーを活かした旅行の推進などにも取り組む。

 国内旅行については、貸切バスツアーの取引適正化に向けた通報制度の構築、着地型ツアーなどに関する旅行業法改正への対応、宿泊旅行の拡大、被災地支援などを継続。海外旅行と同様に、プレミアムフライデーを活用した旅行の普及にも努める。また、政府が開始した東京五輪以降を見据えた文化発信プログラム「Beyond 2020」にも協力する。

 訪日旅行については、ツアーオペレーター品質認証制度のさらなる定着、日本版DMOへの会員企業の参画、シェアリングエコノミー拡大の動きへの各種対応に注力。訪日旅行の質の向上と地方への分散をはかる。

 「業界団体活動」については4年目を迎えるツーリズムEXPOジャパンを「ステージ2」の1年目と位置づけ、JATAと日本観光振興協会(日観振)に日本政府観光局(JNTO)を加えた、「三位一体」による共催を開始。商談会の拡充、観光庁・文化庁・スポーツ庁の3庁との連携強化、顕彰事業の強化などに取り組む。そのほか、ユネスコ「持続可能な観光国際年」に関する各種活動、障害者差別解消法やユニバーサルツーリズムの浸透にも取り組む。

 「経営環境整備活動」については、引き続き働き方改革、ダイバーシティ推進、情報セキュリティガイドラインの策定、有休取得率向上などに取り組むほか、優秀な人材の獲得や育成に向けて、産官学連携を強化し、各種のセミナー・研修などを実施する。また、旅の安心と安全の強化に向けた取り組み、コンプライアンス遵守、業法・約款の改正に向けた検討なども進める。