新経済連盟、観光基本計画に意見提出-CMO設置など要望

  • 2017年3月5日

 新経済連盟はこのほど、観光庁が2月17日に開始した、2017年度からの新たな「観光立国推進基本計画」の改定案に関するパブリックコメントに意見を提出した。訪日外国人旅行者数の目標やデジタルマーケティング戦略、ライドシェアなど8項目にわたるもの。「30年までに訪日外国人旅行者数を1億人、旅行消費額を30兆円とすることを前提に目標を設定すべき」と要望するとともに、デジタルマーケティング戦略の強化に向けては「政府CMO(最高マーケティング責任者)」の設置などを求めている。

 ライドシェアについては「外国人が使い慣れた移動手段を提供しないのは、おもてなし精神に反しリピーター化を阻害する」と主張し、東京オリンピック開催までに「全国的に導入するための法環境整備を盛り込むべき」と要求。また、滞在中の満足度の向上と経済効果の創出に向けて、ナイトクラブの立地規制の弾力化や統合型リゾートの推進などを含む「ナイトタイムエコノミー推進」の項目を設けることも求めた。そのほかには民泊サービスに関する法整備やその運用が、過度に抑制的なものにならないよう求めた。

 観光庁は、昨年に政府が定めた「明日の日本を支える観光ビジョン」を踏まえた改定案を公表したところで、観光ビジョンで定められていない目標については、現行の基本計画の目標を継続または修正。また、新たに世界水準のDMOの形成や旅行業法の改正、民泊サービスへの対応などを項目として盛り込んでいる。今後は3月下旬に取りまとめをおこなう予定で、その後は閣議決定を経て、国会へ報告される見通しだ。