日旅連、復興に向け熊本で総会、日本旅行も意欲
日本旅行協定旅館ホテル連盟は3月2日、熊本市内のホテルで第55回の通常総会を開催した。総会は毎年都内で実施しているが、今回は昨年4月の九州地震からの復興支援に向けて、熊本市で開催。同連盟は12年には、東日本大震災後の宮城県で通常総会を開催している。
来賓として挨拶した日本旅行代表取締役社長の堀坂明弘氏は、「観光による復興支援は力になる」と訴え、震災の風評被害が続くなか、「九州以外に住む日本人や、訪日外国人を誘致することが重要」とを強調した。特に訪日外国人については「日本は地震が多いが、非常に魅力的で安全・安心な街や観光地があることを示すためにも、我々旅行会社が皆様とタッグを組んでいかなければならない」と話した。
本誌の取材に応えた堀坂氏は、九州についてはJR東海・西日本・九州の3社が実施する予定の観光キャンペーンと協働し、送客を強化したい考えを示した。さらに宿泊施設と協力し、「泊まって何かをする、という『体験』を深掘りして、上質な旅をアピールしていきたい」と説明。熊本県については19年にラグビーワールドカップや女子ハンドボール世界選手権が開催されることなどから、イベントをフックに誘客をはかるとした。
日本旅行は20年までの4ヶ年で取り組む中期経営計画「VALUE UP 2020」で、地方創生事業に関する取り組みを強化しているところ。1月には本社の営業企画本部に「地方創生推進本部」を設立しており、「地域の魅力を磨き上げ、幅広く国内外のお客様に情報発信していきたい」という。地方自治体やDMOなどに社員を派遣するなど、関係各者との協力関係も強化し、スポーツイベントや文化イベントの誘致にも取り組む方針だ。
同氏はそのほか、16年の業績について振り返り、同社が中核分野と位置づけるMICE、教育旅行、インターネット販売、BTM、訪日旅行について「前年を上回るか、計画値を達成した」と説明。国内宿泊券の販売も前年を上回っており、「海外の企画旅行商品などが落ち込んでもしっかり経営ができる体力がついた」と喜びを示した。
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