熊本のホテル経営など2社が破産開始決定、負債計4.7億円

  • 2017年3月1日

 東京商工リサーチによると、熊本市でビジネスホテルを経営していたユリウスとその関連会社の酒のえびす屋は、このほど熊本地方裁判所から破産開始決定を受けた。負債はユリウスが債権者5名に対して4億1970万円、酒のえびす屋が債権者9名に対して4630万円で、合計4億6600万円。

 ユリウスは熊本市の繁華街で営業していたビジネスホテル「アスコットホテル」の元運営会社で、設立は2004年3月。同年11月に系列会社のテルメ熊本から同ホテルの不動産を取得して経営を継承したが、同業者との競合などで年々利用者は減少し、ここ数年の年間売上高は1億円を割り込んでいた。あわせて資金繰りも逼迫し、08年7月には熊本市がホテル不動産の差押登記をおこなっていた。

 その後は16年2月に、ホテル不動産を不動産関連会社に売却して債務圧縮をはかったが、その後も負債が残り今回の措置となった。なお、同ホテルについてはその後の九州地震によるダメージで、営業が難しい状況が続いていたという。テルメ熊本については04年にホテルを売却したのち、06年に解散している。

 なお、関連会社の酒のえびす屋は、テルメ熊本やユリウスが運営するホテル施設内で酒類や食料品などの販売、クリーニングの取次をおこなっていたが、グループ再編により売上高の減少。11年頃からは休眠状態となっていた。