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視覚障害者の生の声を「気づき」に JR西日本・特別研修(2) 盲導犬ユーザーを講師に

 「体験」では、先の黄斑変性症のゴーグルをかけての見え方の体験である。参加者は「見えにくい」「こんな感じなのか。たいへんやな」など、それぞれに何かを感じ、思いを抱いたようである。

 「盲導犬ユーザー」では、森永さんを囲んで、参加者との質疑応答を中心に進められた。実際の駅業務でのことが多く、「声をかけても断われたことがあるが、どうしたらいいのか」「盲導犬に触ってもいいのか」など質問があった。逆に、森永さんからは「ホームドアがある駅では、声をかけてくれなくなった。ホームドアがあるから、声をかけなくてもいい、というわけではない」などの意見があり、今後の対応に多いに参考になったようだ。

 もう1つの項目「視覚障害と盲導犬」では、盲導犬の適性や対応の方法や、盲導犬と視覚障害者とともに歩くまでのことや、盲導犬についてのことの詳しく解説された。

 2時間の講座は熱気に包まれたまま終了。「盲導犬ユーザー」の生の声を聴き、どこまで「気づき」に変えられたか。これからであるが、非常に意味のある講座であった。

 後日、「日本ケアフィット共育機構の大阪共育センターが、久保さんと森永さんの協力により、インストラクター向けの講義を設けた。盲導犬ユーザーの実際の声を聴き、これからの講座にいかすためだ。森永さんの話には、いっぱいの「気づき」が含まれており、メモをとるインストラクターの姿が多かった。

 同共育機構は国土交通省とともに、事故防止に向けて活動を展開。昨年から講義内容に「視覚障害者に対して緊急対応」を追加し、「サービス介助士」の講義の中で指導を行っている。その方法を簡単に書いておこう。

 たとえば、駅のホームで視覚障害者が線路の方へ行こうとしていたら、通常前から声かけをするが、緊急の場合、「そこの白杖をもっている女性!止まって!」と後ろからでも声をかける。「白杖、女性」で視覚障害者を特定し、「止まって!」と言うことで、人間は本能で立ち止まる...。森永さんもあわやホームに転落しそうになったことがあるという。その時、「腕をグイと引っ張られた」。みんなが「見守る」社会を作っていこうではないか。

 (17/02/28)


情報提供:トラベルニュース社