LGBT誘客へ、自治体の取り組みに期待-国際団体会長が来日
国際ゲイ&レズビアン旅行協会(IGLTA)代表取締役兼CEOのジョン・タンゼラ氏が2月17日に本誌取材に応じ、日本の観光産業に対する期待などを語った。今回が初来日のタンゼラ氏は、「日本は想像以上に素晴らしいデスティネーション」と感想を語り、世界中のLGBTがより多く訪れるポテンシャルが十分にあると指摘。その上で、LGBTを歓迎しているというメッセージを発信していくことが大切であるとし、国や地方自治体によるIGLTAへの加盟が早期に実現してほしいと話した。
IGLTAは1983年設立の組織で、主に旅行会社やホテル、航空会社、観光局など観光産業の関係企業や団体が加盟。現在の会員数は全世界80ヶ国以上の6100社以上ととなっているほか、主要事業の一つであるLGBTフレンドリーな旅行情報の発信では7万5000人の消費者にリーチしているという。
日本では現在30社・団体が加盟。14年にはその半分にも満たない数字であったところから数は増えつつあるものの、先進国の中では少ない状況。タンゼラ氏は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックが世界中から多様な人々を迎える場であり、それまでにLGBTマーケットでのプレゼンスの拡大や受入体制の強化などに取り組む必要があるとアピールした。
今回の来日でも、京都市長や日本政府観光局(JNTO)などとの話し合いの機会を持ち「好感触」を得たところ。もともと興味を示している自治体も複数あることから、「(そのうち1つ以上が)年内に現実になることを期待したい」という。JNTOが加盟すると、国の観光プロモーション組織としてはアジア内でタイに次ぐ2ヶ国目となる。
なお、IGLTAでは年に1回、世界規模の総会を実施しているが、アジアでは一度も開催されていない。日本の会員の中では日本への誘致、特に東京オリンピック・パラリンピックと同じ20年の開催を望む声も出ており、タンゼラ氏も「日本は航空アクセスの充実度合いなどを含めて理想的な開催地。是非そうなってほしい」と期待を示した。