ANAHD、3Qは減収も利益2桁増、営利経利が過去最高
ANAホールディングス(ANAHD)の2017年3月期第3四半期(2016年4月1日~12月31日)の連結業績で、売上高は前年比2.7%減の1兆3317億7700万円、営業利益は11.5%増の1302億2500万円、経常利益は10.7%増の1242億2700万円、四半期純利益は18.0%増の865億6200万円だった。営業利益と経常利益は昨年に続き過去最高を記録し、売上高は昨年に続く歴代2位。営業費用は燃油費の減少などにより4.1%減の約1兆2015億円となった。
主力の航空事業の売上高は2.2%減の1兆1576億円。国際線の規模拡大で旅客数は好調に推移したが、円高に伴う外貨建て収入の円換算額と燃油サーチャージ収入の減少などにより前年を下回った。一方で、コスト管理による費用削減などで、営業利益は2.5%増の1216億円と増加した。
このうち国際線は、日本発のビジネス需要や訪日需要が堅調に推移し、旅客数は11.5%増の675万1000人の2桁増となった一方、旅客収入は0.7%減の3884億円と微減した。単価は11.0%減。座席供給量を表す座席キロは10.7%増、旅客輸送量を表す旅客キロは11.9%増で、利用率は0.8ポイント増の75.6%となった。
国内線は台風や降雪の影響を受けながらも、各種の割引運賃を設定したことなどにより、旅客数は0.3%増の3264万5000人と微増。一方、単価が1.9%減少したことにより旅客収入は1.7%減の5201億円となった。座席キロは0.5%減、旅客キロは0.8%増で、利用率は0.9ポイント増の65.8%となった。
マイレージ関連や機内販売、整備受託、バニラ・エア(JW)などからなる航空事業内の「その他の収入」は5.9%増の1517億円。JWの旅客数は18.1%増の153万2000人で、利用率は0.2ポイント減の85.4%だった。
そのほか、旅行事業の売上高は5.7%減の1220億円で、営業利益は23.3%減の32億円。海外旅行は「ANAハローツアー」で欧州の取り扱いが減少し、国内旅行も「ANAスカイホリデー」の収客が伸び悩んだことから、ともに売上高は減少した。訪日旅行も他社との競争激化により取扱高が減少した。
航空関連事業は羽田と中部での地上支援業務受託増などにより、売上高は11.2%増の1925億円と2桁増。営業利益は90億円となり、前年の38億円の営業損失からプラスに転じた。商社事業の売上高は4.6%減の1033億円、営業利益は13.5%減の38億円だった。
通期連結業績の予想については修正せず、売上高は2.9%減の1兆7400億円、営業利益は6.3%増の1450億円、経常利益は0.6%減の1300億円、純利益は2.3%増の800億円を据え置いた。