JATA、稼ぐ「アウトバウンド促進協議会」設立、2月に詳細

  • 2017年1月8日

田川氏  日本旅行業協会(JATA)は1月6日に開催した新春記者会見で、2月にJATAの海外旅行推進委員会内に、政府観光局、航空会社、鉄道会社、ツアーオペレーター、宿泊施設などと構成する「アウトバウンド促進協議会」を設立することを発表した。協会外から100程度の企業・団体会員を募る計画で、JATA会長の田川博己氏によれば、出国者数が増加に転じる見込みの昨年に続き、海外旅行市場の「復活」をはかるための方策を協議し、JATA会員各社の「稼ぐ」力を強化するという。会員の募集は同日に開始した。

 会長にはJATA副会長で同委員会委員長を務める菊間潤吾氏が就任。副会長は3名で、JATA理事で阪急交通社代表取締役社長の松田誠司氏、JTBワールドバケーションズ代表取締役社長の生田亨氏に加えて、「送る側」だけでなく「受ける側」の視点も取り入れるために、メキシコ観光局駐日代表のギジェルモ・エギアルテ氏を招く。

 田川氏は、16年はテロや地震などが続き「激動への対応に追われた1年だった」こと、17年はオリンピックなどの大型イベントがないことなどを説明した上で、今年は「海外旅行市場を動かすために旅行会社が仕掛ける年にしたい」と説明。協議会では世界を5つの地域に分けて、日本全国からの海外旅行を促進するためにフォーラムやセミナーなどを展開するほか、「業界が稼ぐための仕組み作り」に向けた議論をおこなうという。活動方針などの詳細は2月中旬に開催予定の設立総会で発表する。

 田川氏はそのほか、すでにMOUを締結しているマレーシア、タイ、フランス、オーストラリア、米国の重点5ヶ国について「今年は年間を通じて送客にこだわっていきたい」と説明。加えて、国交正常化45周年を迎える中国、年間交流人口1000万人の早期実現をめざす韓国、日露首脳会談などを契機に新たな旅行商品の開発などを開始したロシアにも、さらに注力する考えを示した。

次ページ>>>18年までに交流5000万人へ、旅行会社の真価発揮