青森の南部バスが再生法申請、負債26億円-旅行会社も譲渡へ
東京商工リサーチによると、青森県八戸市の南部バスは11月28日、東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請した。負債総額は約26億円。路線バスやコミュニティバス、高速バス、貸切バスなどの各種バス事業に加えて、関連会社には第2種旅行業者で全国旅行業協会(ANTA)会員の南部バス観光があり、海外・国内旅行などを取り扱っていた。
南部バスは1926年に五戸電気鉄道として設立し、31年にバス事業に参入。43年には同県南東部の三八全域にバス事業を拡大した。48年には八戸市内の路線を八戸市営バスへ分離し、69年に鉄道事業を廃止して現在の業態に落ち着いた。
83年頃にはピークとなる年間23億円の売上高を計上。その後も2000年頃までは年間20億円超の売上高を維持していた。一方で乗合バスの採算割れや設備投資負担などにより赤字経営が慢性化し、資金面は悪化していた。15年3月期には売上高が13億8688万円まで落ち込み、債務超過額は約22億円にまで増加。その後も改善は見られず、自力再建が困難となり今回の措置となった。
南部バスは現在、盛岡市に本社を置くバス事業会社の岩手県北自動車と事業譲渡について協議しているところで、南部バス観光も含めて譲渡する見通し。南部バス観光は当面は事業を継続する予定で、ANTAによれば同社について特段の債権申出はなく、退会もしていないという。