現地レポート:ミネアポリス/セントポールの観光の底力

ショッピングからスヌーピーまで魅力いろいろ
DL羽田便就航で注目度アップ

ミネソタ州はアメリカンミュージックと深い関わりを持つ。街中には異彩を放つボブ・ディランの壁画も

 デルタ航空(DL)は、羽田空港の昼間発着枠の配分を受けて、10月30日から羽田/ミネアポリス線に就航した。これまでの成田/ミネアポリス線をシフトしたかたち。DLでは、都心に近い羽田からハブであるミネアポリス経由での乗り継ぎ需要に大きな期待をかける一方、双子の都市(ツインシティ)といわれるミネアポリスとセントポールの観光デスティネーションとしての可能性もアピールしていく方針。現時点では旅行業界内でも理解が十分とはいえない両都市の魅力を、DLのプレスツアーに参加して探った。


年間4000万人を集客するモール・オブ・アメリカ

屋内アミューズメントパークはMOA最大の特長

 ミネアポリス観光の最大のハイライトは、全米最大のショッピングモール「モール・オブ・アメリカ (MOA)」だろう。有名ブランドなど520店舗に加えて、4つの有名デパートが入る。全米から買い物客が訪れ、年間の来場者数は実に4000万人にのぼる。

 MOAがこれだけの来場者を集める理由のひとつは、ショッピングだけでなくさまざまなエンターテイメントが楽しめるところ。モール中央部にはアミューズメントパーク「ニッケルデオン・ユニバース」。屋内ながら絶叫系ライドも充実しているほか、ファミリー向けのアトラクションも豊富にそろっている。

 そのなかのひとつ「フライオーバー・アメリカ」は、バンクーバーにある「フライオーバー・カナダ」と同じ会社が運営しているもので、全米の有名な景勝地をバーチャルリアリティーで再現。その上空を飛びながら巡る約10分間の疑似体験だ。

フライオーバー・アメリカで擬似遊覧飛行

 ニューヨークやサンフランシスコといった大都市からナイアガラの滝、デスバレー、フロリダの湿地帯など大自然を鳥瞰する内容で、ただ水平飛行していくだけでなく、旋回、上昇、下降も加わり、水辺の飛行ではスプラッシュの演出もあるため、シミュレーションながらもリアルな感覚が楽しい。

 このほか、映画館、「ミネソタ・シーライフ・アクアリウム」なども併設。フードコートやレストランも充実しており、複合エンターテイメント施設として1日中滞在しても飽きない場所だ。


空港から10分強の好立地、乗り継ぎでも訪問可

MOAには水族館など家族で楽しめる施設も充実

 MOAが買い物客を惹き付ける理由はまだある。服と靴に税金がかからないことも大きい。セール期間になるとお得感がさらに増す。このほか、ミネアポリス・セントポール国際空港からの近さも大きな利点だ。公共交通機関のライトレイルを利用すれば、MOAへは12分たらず。目安として3時間以上の乗り継ぎ時間があれば、MOAへの訪問が可能なため、DLでは日本人の乗り継ぎ客に対しても訴求を強めているところだ。

 MOAシニア・ディレクターのダグラス・キリアン氏は「来年はオープン25周年。さまざまなイベントも企画されているので、日本人旅行者にも訪れて欲しい」とアピール。DLの羽田/ミネアポリス線に期待を寄せた。