週間ランキング、1位はトランスアジア-トラベルポート製品も
[総評] 今週の1位は、やはりトランスアジア航空(GE)でした。突然の決定で、日本路線に関わる運休騒ぎとしては2010年のビバマカオ航空以来ではないかと思われる規模です。ビバマカオの時に比べると払い戻しの対応などはきちんとされている印象ですが、それにしてもいきなり翌日の運休を発表したと思ったらその翌日に事業停止というのも困った話です。
日本支社では、福岡線の優待情報をトラベルビジョンに掲載されるなど直前まで販売促進に取り組まれており、おそらく社員の皆様にとっても突然の知らせであったのでしょう。GEでは2度の墜落事故が発生し、そのうち1回は高速道路にぶつかりながら墜落していくショッキングな動画も公開されており、甚大なダメージを受けたのだと思われます。
飛行機や船は国際観光に必要不可欠で、実際のところ飛行機は最も安全な乗り物だといわれますが、それにしても事故が起きる時は起きてしまいます。それらすべてのリスクを織り込むことは現実的には困難でしょうけれども、想定外、不測の事態などという言葉の持つ力のなさは昨今の様々な例から明らかで、非常に悩ましいところです。
おそらく大切なのは「できる限りのことをする」ということで、世間で事後対応のまずさから炎上するようなケースを見ていても、真摯に向き合っているか、同情の余地があるか、といった点が分水嶺になっているように思います。
逆に、驕れる者は久しからずともいう通り、いくら事業がうまくいっていても謙虚さを失えばきっといつかしっぺ返しをくらいます。最近も信じられないほど不遜な態度をとる有名企業の広報担当者と話をしましたが、当然ながら良い印象はまったく受けず、本当に会社としてこの態度を認めているのかと訝しく思うほどでした。
しっぺ返しをくらってしまえという個人的な願いだけなのかもしれませんが、少なくともその人物が優れていると世に広く認知されているとはいえない中で、相手がトラベルビジョンだからであったとしてもそうした振る舞いを他社の他人に見せるということは、結局のところ本人と企業の両方にとって悪い影響しかないように思います。
ただ、米大統領選でのドナルド・トランプ氏勝利など、これまでであれば「そうはいってもまあこうはならないだろう」と思われていたようなことが次々に現実化していくなかで、従来の社会的な道徳感のようなものが通用しなくなっていく嫌な予感もあります。実るほど頭を垂れる稲穂かな、ということわざもありますが、こうした考え方がマイノリティになるような生きにくい世の中にはなってほしくないものです。
なお、9位に【PR】の文字がついたトラベルポートの記事広告がランクインしていますが、これは別に広告費を頂戴したからここに表示しているということではありません。メールでの配信も今のところ1度だけで、純粋に皆様のご興味が反映された数字といえます。
広告というと一般的に煙たがられるもののような印象がありますが、トラベルビジョンへの広告出稿はひとえに旅行会社への期待の表れであり、それがきちんと読者の皆様にお読みいただけるというのは業界専門メディアならではの反応ではないかととても嬉しく感じます。(松本)
▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2016年11月18日0時~11月25日12時)
第1位
◆トランスアジア航空が事業停止、払い戻しを案内(16/11/22)
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第10位
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