羽田/米国線、昼間便の運航開始-全日空とデルタが式典
▽新設のDLミネアポリス線、羽田発初便は搭乗率8割
米国の航空会社は、DLがミネアポリス線新設を記念して式典を開催したほか、UAのアジア太平洋・大西洋地区営業担当副社長のマセル・フークス氏がNHの式典に出席。2社ともにそれぞれ初便の搭乗率を公表した。AAとHAについては初便搭乗率は公開していない。
DLはミネアポリス線、ロサンゼルス線ともにビジネスクラス37席、プレミアムエコノミークラス36席、エコノミークラス218席、計291席のB777-200ER型機で運航。DL日本支社長の森本大氏によると、ミネアポリス線の羽田発初便の搭乗率は約8割、ロサンゼルス線については8割半から9割程度という。また、予約状況を見ると2路線ともに日本発・米国発が半分ずつだった。ミネアポリス線はビジネス需要が4割、レジャー需要が6割だが、ミネアポリス以遠への乗継利便性が高いことから、森本氏は「今後はビジネス需要がさらに増える」と語った。
森本氏はレジャー需要については、「発着時間がなかなか決まらず、航空券を販売する期間が短くなった」と語り、需要がまだ取り込めていないことを明らかにするとともに、「年明けから本格的に動くのでは」と期待を示した。ロサンゼルス線については「ロサンゼルスを目的地とした乗客が多い」と説明した。
そのほか、20年までに羽田の発着枠が増加する見通しであることに触れ、「より早く、より多くの発着枠を配分いただき、競合他社に先駆けて北米の主要都市へ就航できるように努力したい」と語った。今後の就航先は「ニューヨークやアトランタ」などを検討する考え。特に10月に成田線を運休したニューヨークについて、日本人の需要が高い路線であったことを説明した上で「(羽田線として)復活させたい」と意欲を示した。
UAのサンフランシスコ線はファースト8席、ビジネス40席、エコノミー221席、計269席のB777-200型機を使用。羽田発初便はファースト8名、ビジネス39名、エコノミー217名の計264名で、搭乗率は98.1%だった。NHの式典で登壇したフークス氏は「強い需要を感じている」とコメント。「ビジネスからレジャーまで、すべてのお客様が満足するようなサービスやプロダクトを提供したい」と意欲を述べた。
同氏は昼間時間帯にスケジュールを変更したことで、日本発は国内30以上の都市からサンフランシスコ線に、あわせてサンフランシスコからは北米や中南米など40都市以上にそれぞれ乗り継げるようになった点を強調。米国発便についても羽田に到着後、乗継できる都市がこれまでの7都市から25都市に増加したことを説明し、「昼便ヘの移行で、お客様の選択肢の幅が一段と広がった」と喜びを示した。成田については、NHがアジアと北米を結ぶハブ空港と位置付けていることを強調し、「成田線にもコミットする。2つの選択肢をお客様に提供する」と語った。
このほか、2社の式典には東京国際空港ターミナル代表取締役社長の土井勝二氏が出席。新路線により羽田からの就航都市数が31都市に増えたことを説明し、「ハブ機能がますます強化された」と喜びを示した。さらに、20年までの発着枠の増加について「増加に対応した施設とサービスをさらに充実させていきたい」と語った。国際線ターミナルの2015年度(15年4月~15年3月)の利用客数は1350万人。16年度は1500万人の利用を見込む。