HIS、ホテル専業の子会社を11月に-HS損保も子会社化

澤田氏  エイチ・アイ・エス(HIS)は10月28日、同社のホテル事業の中核を担う完全子会社として「HISホテルホールディングス」を11月中に設立すると発表した。同日に発表した経営執行体制再編(※関連記事)に伴うもので、代表取締役会長は澤田秀雄氏、代表取締役社長は平林朗氏が務める。資本金は1000万円。

 新会社では自社による物件の獲得、ホテルマネジメント契約の受託、M&Aなどにより、3年間から5年間をかけて100軒のホテルの運営をめざす考え。澤田氏は28日の発表会見で、「現在は(HISグループのホテルは)10軒前後あるが、これを100軒展開すれば利益は200億円、300億円になる」と説明。ホテル事業について「HISグループの新しい事業の柱になるのでは」と期待を示した。

 新会社は、まずはハウステンボス(HTB)が来年3月中旬に千葉県浦安市に開業予定の「変なホテル2号店」と、8月の開業をめざすラグーナテンボス内の「変なホテル3号店」を運営する。その後は、HISグループの「ウォーターマークホテル札幌」や「ウォーターマークホテル長崎・ハウステンボス」も傘下に置く予定で、海外のホテルも傘下に収めたい考え。なお、HTB内にある「ホテルヨーロッパ」「ホテルアムステルダム」「フォレストヴィラ」「変なホテル1号店」は、引き続きHTBが運営する。

 なお、HISは旅行保険商品などを販売しているエイチ・エス損害保険(HS損保)を、子会社化する方針も発表した。同社はHISの持分法適用関連会社で、澤田氏が代表取締役社長を務める澤田ホールディングスのグループ会社。HISによれば、以前から出資比率を徐々に引き上げていたが、経営体制再編においてグループの事業として損害保険事業を重視する方針を定めたことにより、子会社化を決定したという。HS損保の株式はHISが21.9%、澤田ホールディングスが49.6%を所有している。今後は各株主と株式譲渡に関する協議を開始する予定。取得比率や子会社化の時期は未定とした。