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経済減速も訪日意欲は衰えず JNTO、中国市場の動向を報告

 日本政府観光局(JNTO)は先ごろ、東京・品川プリンスホテルで「JNTOインバウンド旅行振興フォーラム」を2日間にわたって開いた。観光事業者や地方自治体などのJNTO会員を対象に年2回実施しているもので、今回が16回目。世界の14都市にあるJNTO現地事務所の所長が、各エリアの訪日マーケット動向を紹介した。

 最大の訪日国である中国市場については、服部真樹・北京事務所長と原口健司・上海事務所長が解説。服部所長は、もっとも関心の高い中国経済の現状について「新常態」という言葉を多用しながら「経済の減速は明らか。しかし、株価や物価は安定し、賃金や可処分所得の伸び率は10%程度を維持している」とし「訪日旅行意欲はそれほど減退していない」とした。今年1-8月の中国からの訪日客累計は前年比34.0%増の450万人と大幅に伸びている。

 服部所長は、10年ぶりの中国赴任で肌感覚とことわった上で「人々の暮らしは着実によくなっている。人々は経済が悪いと思っていないし、明日はもっと豊かになれると考えている」と話した。

 また、2015年の推計で中国人旅行者の観光目的の訪日回数は1回目が7割を超えていることなどから「初訪日の割合も伸びており、中国は発展途上の市場」と高い潜在力に関心を促した。

 一方、この数年で旅行形態の変化も著しい。在上海日本国総領事館の査証発券状況を見ると、15年は団体旅行と個人旅行がほぼ半々だったのに対し、16年1-6月は団体4割弱、個人6割強と、個人旅行が伸びている。

 日本でしたいことのランキングでも「日本料理を作りたい」「日本の家屋に泊まりたい」「美容院に行きたい」と多様性が増している。

 (16/10/27)


情報提供:トラベルニュース社