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ガストロノミーツーリズムで地域振興を-EXPO国内観光シンポ

「日本には成功の要素が揃っている」
地域の関係者と協力し、魅力の発掘と発信を

日本は「世界の料理人の憧れの国」
国内旅行の振興にも訪日客の視点を

浅田屋社長の浅田久太氏  提供する料理がミシュランガイドの星を獲得した金沢市の旅館「浅田屋」を経営する浅田屋代表取締役社長の浅田久太氏は、訪日旅行需要の取り込みを視野に入れたガストロノミーツーリズムの取り組みについて紹介。自治体からのわずかな支援をもとに開始した金沢とニューヨークの料理人交換留学プログラムについて説明し、同プログラムの継続によって金沢の世界的な知名度アップをめざしていることをアピールした。

 浅田氏は海外における日本食への注目度の高まりについて述べた上で、「日本は世界の料理人の憧れの国。そのなかで金沢が憧れの土地になってほしい」と期待した。一方で、民間による取り組みだけでは限界があることを指摘し、米国では財団が同プログラムを支援していることなどを説明。「日本でも民間の取り組みに行政が積極的に乗ってくれれば、もっとうまくいくはず」と語り、今後の官民連携に期待を示した。

パネルディスカッションの様子  その後の意見交換では、それぞれが他者の活動から参考にすべきポイントを感じ取ったことを説明。そのほか、浅田氏は自らの取り組みをもとに「(ガストロノミーツーリズムの振興において)インバウンドは避けて通れない」と述べ、訪日外国人旅行者を誘客する視点を活動に盛り込むことの重要性を強調した。

 シンポジウムにおける議論を総括したぺルドモ氏は、「日本のガストロノミーツーリズムには成功の要素が揃っている」との見方を示した上で、「大きな課題はコミュニケーションと情報発信」と指摘。「地元の人には自明の理と思われるようなことも、旅行者にはわかりやすく伝えていくことが大事」と呼びかけた。

会場の様子  同氏はそのほか、フロアからの質問に答えるかたちで日本におけるハラール対応についても言及。「スペインでもハラール対応の料理店などは多く、うまくいっている。日本でもしっかり取り組むことはできると思う」とコメントし、特定のニーズにも対応していくことがガストロノミーツーリズムの発展につながるとの見方を示した。