田村長官、業法検討会での多様な議論に期待、「海外OTAも」

  • 2016年10月23日

 観光庁長官の田村明比古氏はこのほど開催した業界誌向け会見で、10月6日に初会合を開いた「新たな時代の旅行業法制に関する検討会」の方向性について説明し「当面は次期通常国会に向けて、ランドオペレーターの規制強化と着地型旅行商品の規制緩和についての方向性をまとめる」と語った。また、今後は「よりさまざまな観点での議論が必要」と指摘し、一例として「海外OTAの存在感が増すなか、旅行者を保護する一方で、自由な発想の旅行商品を造成するにはどのような仕組みが必要かなども論点の1つになり得る」と述べた。

 会見ではそのほか、9月から10月にかけて文化庁やスポーツ庁と共同で実施している「ジャパン・トラベル・マンス」についても言及し、「昨年実施した『ジャパン・トラベル・ウィーク』よりも長い期間を『旅行に最適の期間』として設定したこと、文化やスポーツと組み合わせた取り組みを打ち出したことは非常に意義があった」と評価した。一方で、「今年は準備期間が短かった」とし、「来年はより内容を充実させたい」と意欲を示した。

 来年以降の「ジャパン・トラベル・マンス」について、田村氏は文化関連では「期間中におこなわれている地域の文化ベントや、『日本遺産』を組み込んだ商品造成に期待したい」とコメント。スポーツ関連では「これまで観光資源がほとんどないと言われてきた地域でも、ジョギングやサイクリングなどを切り口として長期滞在を訴求する取り組みができるのでは」との考えを示した。