政府、貸切バス改正法案を閣議決定、規則・罰則強化へ
政府は10月18日、貸切バスの安全運行に向けた「道路運送法の一部を改正する法律案」を閣議決定した。法案は今年1月に軽井沢で発生したスキーバス事故を受けて、国土交通省の「軽井沢スキーバス事故対策検討委員会」が6月に取りまとめた再発防止策に基づくもの。事業許可の更新制の導入や、不適格者の安易な再参入を防ぐための措置の拡充、監査機能と罰則の強化などを盛り込んだ。
改正法案では事業許可の更新性について、安全に事業を遂行する能力の有無を5年ごとに審査することを明記。不適格者の安易な再参入や処分逃れの防止については、運行管理者の「欠格期間」を現在の2年から5年に延長するほか、許可の取り消しを受けた会社の子会社や、処分逃れを目的として監査後に廃業した者などの参入を制限する。また、現在は事後届出制になっている休廃業の届出を、30日前までの事前届出制に変更する。
監査機能の強化については、民間指定機関による巡回指導を実施するため、当該機関による貸切バス事業者からの負担金徴収制度を創設する。また、安全確保命令に従わない事業者に対しては、現在は違反者・法人ともに100万円以下の罰金を課しているが、罰則を強化して違反者には懲役1年または150万円以下の罰金を、法人には1億円以下の罰金を課すとした。
政府は改正法案を、11月30日まで実施する臨時国会に提出する見通しで、国土交通省によると早ければ11月中には成立・公布し、公布日から1ヶ月以内に施行するという。なお、事業許可の更新制の導入については17年4月1日から開始する予定。