日本旅行・堀坂新社長、「オンリーワン」重視-店舗機能も強化
今年の6月に日本旅行代表取締役社長に就任した堀坂明弘氏はこのほど本誌のインタビューに応え、今後の方針を語った。同氏はさまざまな領域で日本旅行の「強み」を伸ばすことにより、「トータルで1位というよりも、『オンリーワン』をめざしたい」との考えを表明。海外旅行においては「我々が強い国やデスティネーションを選定し、他とのメリハリをつけて経営資源を集中していく」方針を示した。
重点市場と位置づける欧州方面については「我々が強いヨーロッパは引き続き強くありたい」としながらも、消費者の需要動向を踏まえ、テロ事件が未発生の国や、新規路線の開設で注目が高まる国などを強化する考えを説明。テロ事件が発生したフランスやベルギーについては、ツアーは造成するが商品数は減らす予定だ。このほか、アジアやオセアニアなどの他方面の強化も引き続き実施する。
国内旅行は、前職のJR西日本での経験を活かしながら「JR利用を強み」とした商品を展開。一方、航空会社を利用した長距離方面のツアーも強化する。同社では北海道新幹線の開業を受け、新幹線と航空機を片道ずつ利用するツアーを販売しており、こうした取り組みを今後も継続するという。
訪日旅行は、13年から16年までの中期経営計画「ACTIVE 2016」で「中核分野」と位置づけているところだが、訪日外国人旅行者の増加が続く一方で「日本の旅行会社を介さない訪日客が多い。彼らにどう我々を利用してもらうかが課題」とコメント。日本での体験を主軸にした企画を提案するとともに、今年度内にJR西日本などと協力し、関空の「みどりの窓口」で訪日外国人旅行社向けの対応を強化するなど、実店舗でのサービス強化もめざす。
さらに、同氏は17年以降の新しい中期経営計画について言及。16年までの計画と同様、訪日旅行、MICE、BTMに注力するとともに、店舗機能の強化にも取り組む考えを示した。店舗については、コンサルティング機能の強化に加え、店舗で相談し、ウェブサイトで申し込む「店舗とネットの融合」の促進をはかる。
堀坂氏は「店舗は収支採算性に基づき割り切って考えてきたが、今後は日本旅行グループの店舗ネットワークを活用して実現できる価値や目標感を考えていきたい」と話した。店舗数については「減らす目標はない」とした。なお、中期経営計画は12月を目途に発表する予定だ。
このほか、堀坂氏は現在の中期経営計画の達成状況について「かなり厳しい状況。残りの3ヶ月間で目標達成に向け注力していきたい」と語った。同氏によれば、海外旅行は東南アジアなどの販売を強化したことで取扱人数は回復傾向にあるが、欧州の需要の減少により単価が落ち込み、収益に影響を与えているという。国内旅行は九州地震などの影響で「動きが鈍く、目標を達成していない」状況。訪日旅行は堅調だという。
※インタビューの詳細は後日掲載予定
※訂正案内(編集部 2016年10月18日16時40分)
日本旅行からの訂正により、以下を修正しております。
・訂正箇所:タイトル
誤:日本旅行・堀坂新社長、「オンリーワン」重視-店舗増も視野
↓
正:日本旅行・堀坂新社長、「オンリーワン」重視-店舗機能も強化
・訂正箇所:第6段落2文目
誤:「減らす目標はない。むしろ競争力があるところは増やす」という。
↓
正:「減らす目標はない」とした。
お詫びするとともに訂正いたします。