コスタ、17年は5万人目標、女性に重点-16年は1.8万人達成
コスタクルーズ日本支社長の糸川雄介氏はこのほど本誌の取材に応え、2017年の日本発着クルーズで5万人の集客を目標に掲げていることを説明した。
17年は4月26日から10月13日まで、同社が「コスタ内のプレミアムクラス」と位置づける客船「コスタ ネオロマンチカ」(約5万7000トン、乗客定員1800人)で、日本発着クルーズを32本実施する予定。16年と同様の5泊6日のコースが基本で、4泊5日から7泊8日まで5種類のコースを設定し、日本発着で4万5000人、韓国発着で5000人の販売をめざす。
コスタクルーズでは、今年の7月から9月まで「コスタ ビクトリア」(総トン数:約7万5000トン、乗客定員:2394人)で10本の日本発着クルーズを実施。福岡、舞鶴、金沢、境港、釜山を5泊6日で周るコースで、目標の1万4000人を上回る1万8000人が乗船した。このうち日本人は1万5000人、外国人は3000人で、糸川氏は「思った以上に日本人が多く、需要の高さを感じた」という。
16年の成功要因としては、ファミリーを主なターゲットに設定したことや、夏に5泊6日と参加しやすい長さの旅程を用意したこと、大人2名と同じ部屋を利用する場合に、13歳未満の子供を2名まで無料にするキャンペーンなどを実施したことで「3世代を含む家族層に支持された」という。
また、福岡、舞鶴、金沢の3港で乗下船を可能とし、鉄道や車と組み合わせたクルーズを提案したことで、全国の幅広い需要が獲得できたことを説明。クルーズ初心者にとって「船内の過ごし方に戸惑うことからハードルになる」という終日航海日をなくしたことで、ファーストタイマーの獲得にも成功した。
17年も同様に福岡、舞鶴、金沢の3港で乗下船可能として利便性を高めた。また、新たに日本発着クルーズに投入する「コスタ ネオロマンチカ」は、「船内施設のレベルが高く、日本市場での長期間のクルーズに最適」な船で、「コスタ ビクトリアより小さい船なので、寄港できる港も増える」といい、具体的には新たに函館やウラジオストクなど6港に寄港する予定だ。
17年のメインターゲットは「旅行先の決定権を持つ」と見る女性。糸川氏は、クルーズ期間を長期化することで幅広い客層の集客をめざす考えを示し、「ゴールデンウィークや夏休みは母親を中心にした3世代や家族、そのほかは女性を軸にしたシニアや、母娘旅行などを取り込みたい」と語った。このほか、リピーターの獲得に向けた取り組みも強化する。
日本での販売は旅行会社経由で実施。糸川氏は「日本でのクルーズの認知度はまだ低い。旅行会社にツアーを造成してもらうことで、彼らの流通網で販売できる」ことをメリットとして挙げた。
※インタビューの詳細は後日掲載予定