週間ランキング、1位はJTBの海外旅行再編-業法見直しも

[総評] 今週のランキングの1位は、ジェイティービー(JTB)グループが計画している海外旅行事業の再編についての記事でした。一つはJTBワールドバケーションズの機能を強化するもので、もう一つはティーピーアイ(TPI)関連の地域会社や事業部とアールアンドシーツアーズ(R&C)を統合し、BtoB専門の会社を作るというものです。

 特にTPIとR&Cについては外部から見てもとても大きな変更で、しかもR&Cブランド消滅の可能性があるなどセンセーショナルな判断ですので号外として皆様にお届けしました。予想通り多くの方に読んでいただくことができ嬉しく思っています。

 JTBグループといえば、2006年の分社化が現在の経営体制の基礎となっていますが、現在はJTB国内旅行企画を設立し、あるいはTPIとR&Cを統合するなど、一見すると分社化と逆行するような動きが続いているところです。

 コーポレートサイトの説明によると、分社化によって発地型ビジネスから着地型ビジネスへと事業モデルを転換。これに対して現在は、分社化によって築いた事業基盤を前提として、巨大グループならではの販売力、仕入力を発揮できる体制へと歩みを進めている段階とのことです。

 この説明を踏まえると、TPIとR&Cの新会社についてもスケールメリットを発揮しようとする意図が感じられます。そういえば、先ごろのシンポジウム(リンク)でも、JTB代表取締役社長の高橋広行氏が仕入れが課題と何度も危惧されていました。

 今回の判断がどのような結果につながっていくかは誰も分かりませんが、JTBグループにとっては約10年ぶりの変革期といっていいのではないでしょうか。ちなみにR&Cの取得も分社化とほぼ同時期だったわけで、不思議な因縁も感じます。

 なお、変革という意味では、ランクインこそしませんでしたが、6日に初めて開催された「新たな時代の旅行業法制に関する検討会」は、その名の通りの役割を果たせば旅行業の未来を抜本的に代える可能性のある存在です。議論が着地型商品とランドオペレーター規制の2点に集中しているところは気になりますが、委員の皆様は旅行業を深く知悉しておられる方々であり、次回の見直しまでの業界環境をできる限り望ましいものに導いていただけると期待しています。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2016年09月30日0時~10月07日14時)
第1位
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第10位
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※除外した記事(本来は10位以内にランクイン)
 ◆人事、KNT-CT・グループ5社の部長職以上-10月1日付(16/10/02)
 ◆人事、日本旅行管理職-10月1日付(16/10/04)