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週間ランキング、1位は海外旅行の未来、2位はツアーGP

[総評] 今週の1位は、ジェイティービー(JTB)、エイチ・アイ・エス(HIS)、阪急交通社の3社長とワールド航空サービス会長による海外旅行市場の未来についての議論でした。登壇者の顔ぶれからして高い注目も当然でしょう。むしろ、3社の従業員数を考えればもっとお読みいただけるようにならなければならないと反省しています。

 シンポジウムには私が参加したのですが、色々な面で感じるところの多い取材となりました。まず、私がこれまで経験した中ではJTBとHISの社長が壇上で顔を合わせるのはこれが3回目でしたが、HISの平林朗氏の雰囲気が変化していることが印象に残りました。

 順を追ってご紹介しますと、まず1回目は2010年1月に開催されたトラベル懇話会の新春講演会で、JTB社長(当時)の田川博己氏と平林氏が登壇する「対論」の形態を取りました(リンク1リンク2)。この時は、お二人の年齢に約20歳も開きがあったことによる対比の効果か、若輩の私がいうのもなんですが平林氏の若々しさ、初々しさが印象的でした。

 次に2回目はちょうど5年前の2011年9月、当時の旅博のシンポジウムで上記のお二人に阪急交通社社長(当時)の生井一郎氏が加わったものでした(リンク)。ただ、この時の印象はおぼろげで、なんとなく覚えているのは生井氏が出国者数2000万人の達成は無理だとかなりはっきり断言されていたことだけです。

 言い訳をするとモデレーターの仕切りが今一つどころか今三つ、四つの残念さで、せっかくの布陣を台無しにしてしまったと感じたために印象も残っていないのだと思います。

 そして今回はJTBが高橋広行氏、阪急交通社が松田誠司氏に交代したわけですが、今回は平林氏の落ち着きというかどっしりとした凄みのようなものを感じました。最初の対比効果を考えるとJTBからの登壇者が田川氏でなくなったことも要因の一つかもしれませんし、上場企業の社長を8年以上も務めれば自ずとそうなってくるのかもしれません。

 いずれにしても、翻って我が身を思うと果たしてどれほど成長できているのかと憂鬱な気分になりますが、一方ではそういった人の変化を定点観測できる仕事というのは恵まれているとも感じます。

 また、平林氏が旅行会社同士の協業を呼びかけたことや、松田氏がワールド航空サービスのような旅行の中身で顧客をつかんでいる企業との提携を模索するお考えを示されたことも興味深く拝聴しました。

 特に松田氏のお話は、松田氏が「同じ素材でも自分で造るより美味しいものを提供する料理屋」のように旅行会社ならではの旅行を提供することに今後の活路があると話されていることから、例えば有名シェフの監修による弁当やケーキなどがコンビニエンスストアなどで販売されることもあるように、新しい旅行商品と流通のスタイルがあり得るのかもしれないと感じました。

 偶然ながら、今週第2位のツアーグランプリの記事で「国土交通大臣賞」を受賞したのは阪急交通社のツアーでした。美味しい料理をどう作るか、そもそも美味しさとはなにか、これから同社を含めて各社の創意工夫がさらに活発になっていくことが期待されます。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2016年09月23日0時~09月30日14時)
第1位
海外旅行の未来、大手3社長が議論-ツーリズムEXPOシンポジウム(16/09/29)

第2位
ツアーGP、大臣賞は阪急交通社、欧州のマイナー観光地を提案(16/09/26)

第3位
デルタ、羽田線就航記念で特別運賃-成田は2路線運休へ(16/09/26)

第4位
関空、8月の国際線は旅客・発着ともに過去最高(16/09/26)

第5位
エジプト、治安対策強化で復活へ-チャーター活用で復便も(16/09/27)

第6位
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第7位
台風17号でJTBのツアーバスが横転、8名負傷-台湾(16/09/28)

第8位
今年は日本橋でJAPAN NIGHT、竿燈やくまモン登場-官房長官も(16/09/25)

第9位
ナビタイム、旅行業に本格参入、10月に予約サイト開設(16/09/26)

第10位
ツアコンオブザイヤー、大賞はJ&J清水氏、講演活動を評価(16/09/25)