スカイマークがネスレ日本とコラボ、新たなイメージ訴求

  • 2016年9月15日

(左から)BCの佐山氏、ネスレ日本の高岡氏 スカイマーク(BC)は10月1日から、ネスレ日本と共同で「また乗りたくなる空の旅プロジェクト」を開始する。コーヒーやチョコレートの無料提供などにより機内サービスを拡充するもので、9月15日に開催した発表会見でBC代表取締役会長の佐山展生氏は「これまでフルサービスキャリアにはなかったホスピタリティー。BCにしかできないサービスを提供していきたい」とコメントした。今年3月に民事再生の手続きを終えたBCは、ネスレ日本の協力を得ながら、新しいイメージを作り上げていきたい考えだ。

 ネスレ日本と航空会社の協業はこれが初めて。共同プロジェクトではコーヒーの「ネスカフェゴールドブレンド」と、BC限定オリジナルデザインの「キットカット」を搭乗者全員に提供する。佐山氏によれば、ネスカフェについては羽田/福岡、那覇線など長距離路線から始め、搭乗者の反応を見ながら短距離路線へも拡大していきたい考え。また、高級ブランドの「ネスカフェ・フラジール」も1杯100円で販売する。

会見には「踊る大空港」の監督と出演者も登場した さらに、最前列席の「足のばシート」6席ではタブレット端末を貸し出し、11月上旬からは「ネスレシアター」として、BCを舞台にした全30話のショートフィルム「踊る大空港」も視聴できるようにする。同作品は映画「踊る大捜査線」を手がけた本広克行氏が監督し、客室乗務員や空港スタッフなど新生BCで働く人々を中心に、航空業界の舞台裏を描いたもの。出演者は中村雅俊さん、北香那さん、桜井美南さんなどで、現在は撮影が進行中だという。

 このほか、BCの子供1人旅サービス「スカイキッズ」を羽田/神戸線で利用する搭乗者に、出発空港で撮影した写真をキットカットのバッケージに印刷し、到着空港で受け取ることができる「チョコラボ・キットカット」を11月上旬から開始する。ネスレ日本代表取締役社長兼CEOの高岡浩三氏は「今回の共同プロジェクトは始まりにすぎない。今後もBCとのコラボレーションを増やしていきたい」と意欲を見せた。


▽搭乗率は80%超を維持、定時出発率も向上

 佐山氏はそのほか、BCの業績についても言及し「今年2月は閑散期にもかかわらず、搭乗率が80%を超えた。その後も毎月80%を超え、8月は88.8%を記録した」と好調ぶりをアピール。その要因として、今年4月から7月までの定時出発率が92%にまで向上し、ビジネス客の取り込みとリピーターの増加に成功したことを挙げた。「今後も定時出発率で日本一をめざす」という。

 再上場については、「LCCとは違う方向性で独自性を打ち出し、今後4年以内にめざす」と改めて強調。「現在は足元固めの時期」との認識を示した。また、全日空(NH)との関係については、整備やサービスの分野で協力を進めていると説明した一方、コードシェアについては明言を避けた。このほか、ユナイテッドアローズが監修した新たな客室乗務員のユニフォームについては「今年11月上旬には導入できるのでは」との見通しを示した。