16年海外旅行者は5%増の1700万人に-JTB総研が動向調査
▽申込は半数以上がウェブ、旅行会社は情報を得る場に
海外旅行の申込方法については、ウェブによる申し込みが全体の51.9%と、半数以上を占めた。東京・大阪・名古屋を除く地域では、ウェブによる申し込みは49.7%で半数をわずかに下回り、旅行会社を利用した人は全体の39.5%と、首都圏の28.2%に比べて多い結果となった。
海外旅行を店舗で申し込んだ理由として最も多かったのは「旅行商品の細かいことについて質問したかった」で全体の35.4%。次いで「現地でどんなことができるか相談に乗ってほしかった」が24.4%、「どんなツアーがお得かを教えて欲しかった」が20.2%となった。
海外旅行を申し込んだ会社の種類を見ると、「旅行会社」が最も多く全体の51.7%に。以下は「航空会社」が13.0%、「オンライン旅行会社」が9.5%などと続いた。JTB総研は、旅行会社は旅行の手続きのためよりも、自身にあった情報やサービスを受けられる場として選択している人が多いとの見方を示している。
このほか、普段はどのようなことに興味があるかを問う質問では、「海外旅行関連」が54.7%で最も多く、以下は「国内旅行関連」が53.2%、「グルメ」が44.1%、「読書」が35.2%で続いた。
旅行にまつわる関心事については、「温泉」が最も多く52.1%に。地域別に見ると、首都圏は「歴史・史跡」や「世界遺産めぐり」が全体の平均よりも多く、首都圏と大阪を除く地域では「ドライブ旅行」や「グルメ旅行」「テーマパークめぐり」が人気となった。JTB総研では、地方では手軽に出かけられる旅行先や、世間で話題を集めているものの人気が高く、「目的を持ってテーマを深掘りすることに価値を感じにくいのでは」との見方を示している。
JTB総研はさらに、急増する訪日外国人旅行者の受入体制に関する質問も実施。「海外の観光地から学べると思ったこと」については、「街の景観を壊さない工夫」と回答した人が最も多く、全体の27.4%を占めた。具体的には無電柱化、屋根や建物の色調の統一、車両の乗入禁止などインフラ整備に関する意見が多かったという。そのほかには「観光の環境整備(清掃、住民の親近感など)」が12.8%、「交通機関の利便性やアイデア」が5.1%、「言葉の通じやすさ」が4.3%となった。
なお、00年から15年までの海外旅行需要の推移を振り返ると、1年間の海外旅行回数の平均は、00年から14年までは1.7回で変わらず、15年は16年の予想と同程度の1.6回微減している。15年の海外旅行回数の平均を性および年代別で比較すると、ビジネス需要などにより「50代男性」が2.0回、「40代男性」が1.9回、「60代男性」が1.9回とそれぞれ平均を上回った。