旧日旅アメックス、日系企業の取込強化へ、BTMの浸透に期待
今年6月に日本旅行・グローバルビジネストラベル(GBT NTA、旧称:日本旅行・アメリカン エキスプレス)の代表取締役社長に就任した内山博生氏はこのほど本誌のインタビューに応え、日本企業の取扱シェアを拡大する方針を示した。GBT NTAは2001年にアメリカン・エキスプレスと日本旅行の合弁会社として設立。現在はアメリカン・エキスプレスグループのアメリカンエキスプレス・グローバルビジネストラベル(GBT)が55%、日本旅行が45%を出資している。昨年の12月に社名を変更した。
同社は日系企業や海外のグローバル企業の日本支社などに出張手配業務やBTMサービスを提供している。内山氏は、一部の例外を除く日系企業には「それぞれの出張者に対し、予算内で快適かつニーズに応えるサービスを実施する、日本のインハウス型のサービスを提供している」と説明。一方、グローバル企業に対しては、企業全体のトラベルポリシーに基づいて出張者に均一にBTMサービスを提供しており、「それぞれ、求められるビジネスモデルが異なる」という。
契約形態については、ほとんどのグローバル企業が旅行会社と独占契約を結ぶ一方で、日系企業は業務渡航系旅行会社の数社が基本契約を結ぶケースが多いことから、内山氏は「日系企業のなかで我々のシェアを高めていきたい」と話した。日系企業に対しては、出張者向けの危機管理ツール「EXPERT CARE」や、昨年12月から提供を開始した24時間の緊急対応サービスを訴求する方針。緊急対応サービスについては、従来の日本語同時通訳サポートや、航空券、ホテル、レンタカーの予約・変更に加え、今年の4月から発券業務の対応も開始した点をメリットとして挙げた。
内山氏は24時間のサポートサービスを、インハウスにもアピールしていく方針を示した。すでに15社程度が同サービスを利用しており、「インハウスとは競合するのではなく、我々が彼らのインフラになれるような関係を構築していきたい」という。
日系企業については、海外進出による出張の増加や、昨今の世界各地でのテロ事件などを考慮し、危機管理や出張規定などを統括する専任の担当者を置く会社が増えてきたことを説明。あわせて「トラベルポリシーを組んで合理化、効率化すべきという風潮が出てきた」とも語った。こうした状況を踏まえて内山氏は、日系企業に対してはBTMの必要性を訴えるとともに、サービスを積極的に提供するための情報発信を強化していく考えを述べた。
※インタビューの詳細は近日掲載予定
※訂正案内(編集部 2016年09月09日10時35分)
・訂正箇所:第1段落
社名変更の時期を「今年の2月」から「昨年の12月」に変更するとともに、旧社名などを微修正しています。お詫びするとともに訂正いたします。