現地レポート:グアム、MICE獲得に向け邁進、大型会議場も開業
客室なども増加しハード面の課題が解消
キャンペーンやイベントで誘致を促進
日本人誘致のネックは座席数
新規就航に向けて航空各社へ働きかけ
日本人訪問者の受け入れに向けた取り組みを展開するなかで、引き続き大きな課題となっているのが航空座席数だ。デナイト氏は「座席供給量が1番の課題だ」と述べ、改善に向けてグアム国際空港の関係者とともに、日本にオフィスを置く航空会社への働きかけをおこなっていることを改めて説明。特に新規就航の誘致に向けて、着陸料割引などの提案を各航空会社の需要にあわせて進めているという。
デナイト氏は航空会社の新規就航について、「グアムは日本から近いので、国内線のみを運航している航空会社などにとっては、国際線を始めるための良いデスティネーションになる」とアピール。新興系の航空会社への働きかけに意欲を示した。
ユナイテッド航空、成田線の座席数を順次拡大
ユナイテッド航空(UA)は現在、成田、新千歳、仙台、中部、関空、福岡の全国6空港からグアムへの直行便を運航している。使用機材はボーイングB737型機で、成田線は1日3便のうち朝と夜の便にボーイングB777-200型機を導入。UAがグアム線で提供している座席数は、日本/グアム線を運航するすべての航空会社の総座席数の50%以上を占める。
UAは成田線において、座席の構成を刷新した新たなB777-200型機の導入を進めている。現行の全334席の機材から、ビジネスクラスにフルフラットシートを導入し、エコノミークラスの座席数を24席増やした全364席へと移行することで、座席供給量は2便で40席増加。他の5空港からのネットワークとあわせて、全国からMICEや修学旅行などの大型団体を送客しやすくなるという。
このほか、UAは今年3月末にタモン地区にある免税店「Tギャラリア グアム by DFS」内に、事前チェックインカウンター「タモン・セントラル・エアターミナル(TCAT)」を開設。グアムを午後に出発する関空行きUA177便、中部行きUA171便、成田行きUA873便の利用者を対象に、搭乗手続きと受託手荷物の預け入れを開始した。営業時間は11時から17時までで、年中無休。ただし、手荷物を預ける場合には、15時30分までにチェックインを完了する必要がある。Tギャラリアからは毎日13時30分から15時45分まで30分間隔で運行する、空港行きの無料シャトルバスを利用できる。
取材:本誌 大野舞