観光庁、17年度概算要求は5割増の374億円-ビジョン具現化へ
観光庁は2017年度の予算概算要求で、今年度予算比52%増にあたる373億6300万円を要求した。このうち一般会計については「明日の日本を支える観光ビジョン」を具現化するための「ストレスフリーの旅行環境の整備」など「3本の柱」を設定し、58%増の316億2800万円を計上。復興枠では「東北地方へのインバウンド推進による観光復興事業」などの継続のために、27%増の57億3500万円を求めた。
一般会計の3本の柱のうち、要求額が最も大きかったのは「ストレスフリーの旅行環境の整備」で93%増の155億3200万円。以下は「観光産業の革新と国際競争力の強化」に39%増の123億4400万円、「地方創生の礎となる観光資源の魅力向上」に21%増の33億3100万円を求めた。また、その他の事務費などに17%増の4億2000万円を計上した。
「ストレスフリーの旅行環境の整備」では、今月24日に閣議決定した補正予算案で155億円を計上した「訪日外国人旅行者受入基盤整備・加速化事業」について、同額の155億円を要求。年間訪日外国人旅行者数を20年に4000万人、30年に6000万人に引き上げる目標の実現に向けて、政府が年内の策定をめざす「観光インフラ整備プログラム(仮称)」などと連携しつつ、整備の加速化をはかる。
要求額155億円のうち、ハード面の整備には102億円、ソフト面の整備には53億円を充てる考え。ハード面では観光案内所の整備や、空港などの多言語化やバリアフリー化、クルーズ船の受入環境整備などを進める。一方、ソフト面では宿泊施設におけるインバウンド対応の支援として、無料公共無線LANやトイレの洋式化などを推進する考え。
また、昨年に続き「ユニバーサルツーリズム促進事業」として2%増の3200万円を要求。宿泊施設における車いすの導入状況や段差の有無など、バリアフリー化を含む「ユニバーサル化」に関する統一的な評価制度の導入について調査や検討を進める。
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