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週間ランキング、1位はJAL・ANA冬ダイヤ、リオ閉会式も

[総評] 今週は、日本航空(JL)と全日空(NH)が発表した、冬ダイヤにおける路線ネットワークの変更点の概要が1位になりました。路線と便数の計画で「路便計画」などと呼ばれることもありますが、夏と冬のIATAスケジュール期間が始まる少し前に発表されることが多く、常に高いアクセスをいただくコンテンツです。また、記事をお届けする立場としては「またこの時期が来た」と時の流れの速さを感じさせられる情報でもあります。

 今年の冬ダイヤの目玉はやはり羽田/米国線でしょう。良きにつけ悪しきにつけ米国は日本にとって最も密接な関係を持つ外国であり、羽田空港の昼間時間帯での路線は市場環境を大きく変えることになります。すでにDLが競争力の低下を理由に成田路線の縮減を決めていますが、JLとNH、そして米系航空会社それぞれのダイナミックな動きが続くのではないかと予想しています。

 次に2位に入ったのは、ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)のイベントで日本支社長のジョンティ・ブルナー氏が語った英国のEU離脱の影響についてのコメントでした。タイトルはご覧の通りマイナスの影響なしというもので、そんなわけがないはずと思われたかもしれませんが現時点の話です。

 たしかに、中長期的な影響を見通すことはできないものの、まずもって変化にはエネルギーを要するものであり影響は必ずあります。ブルナー氏自身が懸念されている通り、航空当局間での合意内容に見直しが入る可能性や、同様にジョイントベンチャーの枠組みなどがそのまま維持できるかも確認を要するでしょう。いずれにしても、これからの離脱交渉の行方など様々な要素を注視していく必要があるはずです。

 このほか、今週は4位にリオオリンピックの閉会式についての記事もランクインしています。今回はメダル獲得数が過去最高となるなど日本人選手が大きく活躍され、4年後に向けて勢いがついた印象を多くの方が抱いているのではないでしょうか。

 振り返って思うのは、開幕前に準備不足や治安の懸念が盛んに伝えられる中で、開催が危ぶまれるような印象が広まっていたことです。個人的にも「本当に大丈夫か」と半笑いで周囲と話していたわけですが、蓋を開けてみればプールが緑色になったとか会場のテントの一つに流れ弾が飛んできたとか、なかなか日本人には想像の及ばない事態も起きているとはいえ、少なくとも地球の裏側でテレビなどを通して感じる限りでは、大会続行の危機という状況には受け取れませんでした。

 もちろん、例えば開幕前に警官や消防官が「地獄へようこそ」と空港で横断幕を掲げて給与未払いに抗議していたように、社会的な問題はおそらく今でも事実そこにあり、その多くは大会の盛り上がりによって解決することもないでしょう。

 一方、東京オリンピックもすでに負の部分が露呈しているところですが、だからといって失敗が決まったというわけでもなく、その多面性こそが肝なのではないかと思います。

 これからの4年間は、これまでの4年間で私たちがリオやブラジルについてしてきたように、世界中の人々が東京や日本についての情報に触れることになります。最終的に世界各国の選手団や観客をお迎えし大会を盛り上げていくためには、リオに際して見聞きし感じた物事を忘れずに準備に生かしていく必要があるはずです。

 リオの開幕前にどのような報道がなされそれに対してどのように感じたか、大会が始まってからはどのように情報を受け止めたか。そういったことを記憶に留められるよう、この興奮さめやらぬ今こそ省みておくべきであると考えます。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2016年08月19日0時~08月26日18時)
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