国内LCC4社、市場に適したサービスを模索-CAPA会議から
日本のLCC市場はさらに拡大
求められるサービスの質
オーストラリアの航空関連シンクタンクであるCAPA - Centre for Aviation(CAPA)がこのほど成田市で開催した国際会議「CAPA LCCs in North Asia Summit 2016」では、「日本のLCC市場」と題したパネルディスカッションが開催された。ジェットスター・ジャパン(GK)、ピーチ・アビエーション(MM)、バニラエア(JW)、春秋航空日本(IJ)の国内LCC4社とアマデウスが参加したもので、各社は日本の航空市場におけるLCCの現状や、今後の見通しなどについて意見を交換した。
パネリスト
ジェットスター・ジャパン代表取締役会長 片岡優氏
ピーチ・アビエーションCOO(最高執行責任者) 森健明氏
春秋航空日本取締役会長 王煒氏
バニラエア企画部兼経営戦略グループシニアマネージャー 山室美緒子氏(※当時。現在は取締役副社長)
アマデウス ヴァイスプレジデントアジア太平洋エアライン担当 テタス・シリル氏
モデレーター
東京工業大学環境・社会理工学院准教授 花岡伸也氏
日本でもLCCは成功、今後は安全性など訴求
パネルディスカッションの冒頭では、国内LCC4社が日本市場でのLCCの成長について振り返った上で、さらなる成長に期待を示した。GK代表取締役会長の片岡優氏は、「日本人はFSCの高品質なサービスに慣れているため、3、4年前までは『日本でLCCは成功しないのでは』と言われていたが、我々は成功した」と主張。現在の日本市場に占めるLCCのシェアは1割程度ではあるものの、今後は2割から3割へと拡大する見通しを示した。
MMのCOOを務める森健明氏は、「今まで飛行機に乗ったことがない人や訪日外国人の需要を取り込むことで、LCC市場はまだまだ拡大できる」と期待。JW企画部兼経営戦略グループシニアマネージャー(※当時)の山室美緒子氏は、「日本人はサービスやプロダクトに高い水準を要求する傾向があるが、サービスの質を確保して、安全運航をおこなえば需要は高まる」との見通しを語った。IJ取締役会長の王煒氏は、「LCCは『安かろう悪かろう』というイメージが根強い。『安くて安全』ということを伝えていかなければならない」と強調した。