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リクルート、ゆこゆこを202億円で売却、投資ファンドなど4社に

  • 2016年7月28日

 リクルートホールディングス(リクルート)は7月27日、同社の100%子会社で国内宿泊予約サイト「ゆこゆこ」の運営などをおこなう、ゆこゆこの全株式を売却すると発表した。同日に売却先のゆこゆこホールディングスと株式譲渡契約を締結。譲渡金額は202億円で、実行日は8月31日を予定する。

 ゆこゆこホールディングスは7月21日に投資ファンドのユニゾン・キャピタル、福岡銀行などが出資するファンド運営会社の福岡キャピタルパートナーズ、静岡銀行のグループ会社である静岡キャピタル、電通の4社が共同で設立。8月末までに各社がそれぞれ出資する予定で、出資比率はユニゾン・キャピタルが70%、残りの3社の合計が25%となっている。5%はゆこゆこの社員向けにストックオプション制度を導入する予定。同ホールディングスの代表取締役にはユニゾン・キャピタルで投資案件の開拓などを担当する松田清人氏が就任した。

 ゆこゆこは2000年創業で、国内宿泊情報誌「ゆこゆこ」を通じて、シニア層に対し国内のホテルや旅館を訴求。コールセンターや同社のウェブサイトで予約を受け付けている。リクルートは旅行事業におけるシニア層の需要獲得をめざし、06年に同社を子会社化していたが、その後はじゃらんnetなどによる宿泊予約事業が成長し、シニア層を含むじゃらんnetのユーザー数も順調に増加。最終的に「ゆこゆこのさらなる成長は、当社グループ以外のパートナー企業との協業が望ましい」と判断したという。

 ユニゾン・キャピタルによれば、リクルートとはこれまでも協業関係にあり、「シニア層に圧倒的なシェアのあるゆこゆこのビジネスモデルは興味深く、さらなる磨き上げができるのでは」と考えたことから投資を決定したという。買収後は、ユニゾン・キャピタルの経営支援のノウハウ、電通のメディア展開のノウハウ、福岡銀行と静岡銀行の保有する顧客ネットワークなどを活用し、事業のさらなる拡大をめざす。ゆこゆこの2016年3月期の売上高は78億2800万円、営業利益は15億8600万円だが、21年までに売上高は約1.6倍を、営業利益は1.9倍の3億円をめざすという。

 今後は、ゆこゆこの本業と位置づける、雑誌を活用した宿泊施設の予約事業を強化。ゆこゆこは現在、2000軒超の宿泊施設を取り扱っているが、静岡や福岡などを中心に施設数の拡大をはかるとともに、全国に3ヶ所あるコールセンターの増設なども計画する。さらに、雑誌の広告収入増をめざし、電通のノウハウを活用して健康食品などシニア層向けの広告掲載に取り組む。このほか新規事業として、保険会社との提携による保険商品の取り扱いなども検討。シニア層に提供する商品のラインナップ拡充をはかる。