HIS、ミキと子会社化視野に提携強化、アジア発の需要取込へ

  • 2016年7月24日

(左から)HISの平林氏、ミキグループの檀原氏  エイチ・アイ・エス(HIS)とミキ・ツーリストの持株会社であるグループミキホールディングス(ミキグループ)は7月22日、さらなる提携強化をめざし検討を開始すると発表した。「検討委員会」(仮称)を設置し、ミキグループのHISの連結子会社化を視野に入れ、アジアを中心としたグローバル市場での現地手配事業やオンライン事業の強化について検討。2社共同で、現地でのアクティビティの企画などもおこないたい考えだ。

 HISは2012年にミキグループ(当時の社名はGM Communications)の株式を32.7%取得。アジア各国の市場での地上手配などで協業しており、現在は持分法適用関連会社として、ミキグループの株式を譲渡手続き中のものを含め46.67%保有している。同日に開催した記者会見でHIS代表取締役社長の平林朗氏は、連結子会社化を含む検討内容について、半年から1年程度で検討していく考えを示した。

HISの平林氏  平林氏は協業により、「世界市場におけるグローバルランドオペレーターNo.1をめざす」と意気込みを語った。2社の海外支店が受注するアウトバウンド事業の規模の売上高は現在年間約1100億円から1200億円。アジア発の海外旅行需要が5年後には2倍になる見通しであることから、2社でも5年後に年間売上高約2700億円の達成を目標に掲げる。

 今後はHISの強みであるアジアや北米、豪州での事業を引き続き強化するとともに、欧州に強いミキグループと提携を強化することで、アジア発の欧州旅行などの需要を取り込みたい考え。欧州ではテロ事件などが続いているが、「世界情勢が不安定であるときこそ、現地に拠点を持つ我々のサービスが強みになる」との考えだ。

 ミキグル―プCEOの檀原徹典氏は、世界で旅行者のFIT化が進み、OTA経由の販売や航空会社、ホテルの直販が増えるなど旅行市場が変化するなか、「変化を先取りしていくためにはHISと一緒にやっていく必要がある」と説明。2社が強みの持つ地域が異なること、ミキグループはBtoB事業、HISはBtoC事業が主であることから「バッティングせずに相乗強化を出していける」と期待を示した。今後はミキグループにBtoB事業を、HISにBtoC事業を集約して棲み分けることを検討しているという。

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