米国、羽田線昼間枠の配分を仮決定、新たにDLミネアポリス線

  • 2016年7月21日

 米国運輸省(DOT)は現地時間7月20日、米国側が保有する羽田/米国線の昼間枠5便の配分を仮決定した。現在は深夜早朝枠で運航しているアメリカン航空(AA)のロサンゼルス線、デルタ航空(DL)のロサンゼルス線、ハワイアン航空(HA)のホノルル線、ユナイテッド航空(UA)のサンフランシスコ線を昼間枠として継続。残りの1便は、新路線としてDLのミネアポリス線に配分する計画だ。

 羽田/米国線は今年2月に昼間枠の開設を合意したことに伴い、DOTが米国側が有する昼間枠5便と深夜早朝枠1便について路線計画を募集。AAがロサンゼルス線とダラス線を、DLがロサンゼルス線、ミネアポリス線、アトランタ線を、UAがサンフランシスコ線とニューアーク線を、それぞれ昼間枠で申請していた。HAはホノルル線を昼間枠で、週4便のホノルル線と週3便のコナ線を深夜早朝枠で申請。これに対しDOTは、深夜早朝枠の運航を要望したのがHAのみだったため、5月にHAの深夜早朝枠の就航を承認していた。

 DOTは路線計画の募集時に「公益の最大化」を目的としてゼロベースで配分をおこなう方針を発表したが、結果的に今回の仮決定では、現在深夜早朝枠で運航している路線を承認した。その理由についてDOTは、4社がいずれも運航中の路線を申請したことや、現在運航している路線が米国の公益に貢献していることなどを挙げた。

 残りの1便としてDLのミネアポリス線を仮決定した理由としては、米国中西部にも就航することで羽田線が地理的に多様化すること、DLが日系航空会社と共同事業をおこなっていないことなどを挙げた。ただし、DLはこれまでデトロイト線とシアトル線を当初の計画から減便し、最終的には運休していることから「このことを無視することはできない」と指摘。DLが就航後に今回申請した計画内容を大きく逸脱した場合は、枠の所有権を停止するとした。

 これに伴いDOTは、DLの所有権が停止された際の「バックアップキャリア」として、AAが申請したダラス線を選定。AAを選んだ理由としては、ダラスは成田線がすでにデイリーで運航されており需要が高いことや、日本企業と取引をおこなう企業が多いことなどを説明した。バックアップキャリアの権利は2年間を期限とし、2年を過ぎた場合は無効にするという。

 なお、今回の仮決定に対して各社などから反論がなかった場合、DOTは正式決定をおこなう予定。