外務省、バングラ事件で「テロへの特別警戒」呼びかけ

  • 2016年7月10日

 外務省は7月6日、バングラデシュの危険情報を更新するとともに、チッタゴン丘陵地帯を除くすべての地域に「テロに対する特別警戒」を発出した。7月1日に首都のダッカで発生した立て籠り事件で日本人7名を含む20名以上が死亡したことを受けたもので、すでに注意喚起のためのスポット情報と広域情報を発出していたが、さらなる警戒を呼びかける。

 外務省は今回の呼びかけでは、バングラデシュを訪問する旅行者に対し「テロ事案に遭遇しないよう、特別な警戒が必要」と強調。最新情報の収集に努めるとともに、不測の事態を想定して特別な注意を払うよう要請している。また、テロの標的になりやすい欧米関連施設や公共交通機関、観光施設など不特定多数が集まる場所を訪れる際は周囲の状況に注意を払い、不審な状況を察知次第、速やかにその場を離れることなどを求めている。

 さらに、イスラム教の集団礼拝日である金曜日については、政治的なスピーチやゼネストなどが暴徒化し、モスクやデモをねらったテロなどが起こる可能性があることを説明。不用意に宗教施設などに近づかないよう要請した。

 その他には7月1日の事件の詳細に加えて、2015年と16年に同国で発生したイスラム教原理主義者による自爆テロ事件や襲撃事件などを一覧で紹介した。なお、現地からの報道によれば7月7日にも中部のショラキアで爆発が発生し、武装グループと警察官による銃撃戦で死傷者が発生している。