JATA田川氏、九州観光復興へ決意、業界3団体で共同キャンペ
日本旅行業協会(JATA)会長の田川博己氏は6月9日、日本観光振興協会(日観振)の第53回通常総会後の情報交換会の場で九州観光の復興に向けて決意を語った。田川氏によると、日観振とJATA、全国旅行業協会(ANTA)の3団体が全国から九州への送客増をめざし、共同キャンペーンを実施する。
キャンペーンの詳細は今後決定していくが、まずは「旅で応援、いこうよ九州」のロゴを作成。「地元の旅行会社にも活躍していただき、九州域内からの旅行や着地型旅行も盛り上げていく」という。
田川氏によると、九州の宿泊需要は通常は5割が九州域内から、残りの5割が九州域外からだが、震災の影響で域内の需要が減少。現状では被害がない場所でも宿泊者がほとんどいない状況であるといい、「道路状況などを含め各地の正確な情報を発信し、まずは夏休みをきっかけに観光需要の早期回復をはかり、秋の行楽シーズンにつなげていく」ことが重要と語った。
また、九州の各県の旅行需要が風評被害などにより落ち込んでいることに触れ、夏休みの九州旅行を宣伝するとともに、修学旅行などの団体旅行については「延期してでも実施していただくように働きかけ続ける」と語った。訪日旅行についても日本政府観光局(JNTO)と連携し、海外での説明会の開催や旅行関係者の招へい、共同広告の実施などにより、正確な情報発信や効果的なプロモーションを展開する。
このほか田川氏は、政府が「九州観光支援のための割引付旅行プラン助成制度」として180億円を費やすことを決定したことに感謝を表明。「国内外から九州への観光需要喚起に最大限活用し、観光による復興を成し遂げたい」と語った。