東京第1種の日本エアービジョンが破産、テロがとどめに
東京商工リサーチ(TSR)によると、東京都の第1種旅行業者で東南アジアや中近東方面を得意としていた日本エアービジョンが5月30日、東京地方裁判所から破産開始決定を受けた。負債額は調査中で、一般の旅行者に被害は出ていないという。
同社は1976年7月にパキスタン国際航空(PK)の欧州路線の販売を主な事業として設立。その後はフィリピン航空(PR)、エチオピア航空(ET)などのホールセール、東南アジアや中近東方面の手配旅行、企画旅行「ラビットツアー」の主催もおこなっていた。78年には日本旅行業協会(JATA)に加盟。ピーク時の90年10月期には、売上高約38億9200万円を計上した。
しかし近年は市況の低迷から業績低下に歯止めがかからず、主催旅行の取り扱いをやめるなど事業を縮小。売上高も2010年10月期には約8億円にまで減少し、近年はさらに落ち込んで赤字が累積していた。
さらに最近では、中東や欧州で続いているテロ事件の影響により、得意とする東南アジアや中近東方面の取り扱いが減少した。廃業の方向で手続きを進めていたが、手配済みの案件にめどがついたことから、このほど破産手続きによる整理をおこなったという。