週間ランキング、1位は豪州レポート、ツーリズムEXPO概要も
[総評] 今週は、ゴールドコーストで先々週に開催された商談会「AUSTRALIAN TOURISM EXCHANGE(ATE)」から、国や州などの観光局の方針をまとめたレポートが1位になりました。日本航空(JL)とイベリア航空(IB)との共同事業といった記事を抑えての1位で、自分で書いたものながら意外な順位です。
というのも、オーストラリア関連の記事はこれまでも何度となく書いてきており、関わりも思い入れも深いデスティネーションなのですが、週間ランキングでは過去にカンタス航空(QF)の記事が2度ほどトップになったのみで、残念ながら観光局主体の記事に群を抜いた注目が集まったことはほぼなく、1位はおそらく初めてと思われます。
このように意外なランキングの時は他の記事の話題性が乏しい、要するにその週のアクセス全体が低調であることも多いのですが、冒頭でも触れた通り今回は2位以下も多く読まれており状況が異なります。
では何が理由かといえば、やはり記事内容の通り市場が盛り上がっているからと考えるのが妥当でしょう。ゴールドコースト観光局マーケティングマネージャーの小林芳美氏によると、最近はセミナーを開催すると参加者から「もっと教えてほしい」という声が寄せられるほか、FAMツアーを計画しても希望者が多すぎて定員を超えてしまうほどだそうです。
数年前までの市況や従来のオーストラリア関連記事へのアクセス数を思い返すと、正直なところその変化に対して旅行業界の現金さを感じないではありませんが、それはそれで当然かも知れませんし、何はともあれこのような活況を見られること自体を大変喜ばしく思います。
ただ、大切なのは好調さをありがたがることではなく、それを維持しさらに伸ばしていくことでしょう。先ほどの現金さを当然とするならばなおさらで、クイーンズランド州政府観光局日本局長の西澤利明氏がおっしゃっているように「これが最後のチャンスかもしれない」という気概を持って取り組んでいきたいと考えているところです。
なお、今週は9月開催予定のツーリズムEXPOジャパンの概要も発表されました。過去最高となる18万人の来場をめざすということで、また国内外の様々なデスティネーションや企業、団体が多彩なブースを並べることでしょう。
ただし、海外に関しては昨年のEXPO会場を思い返しても欧州方面の出展が寂しくなったりと順風満帆ではありません。そうした中で一つ意識しておきたいのは、EXPOに出展するのもブースを装飾するのも無料ではなく、そのための資金は基本的に日本の旅行会社や旅行市場に期待して投じられているという事実です。
ビジネスを離れて考えてみても、期待をされないことほど悲しいことはありません。「win-winの関係」とよくいいますが、相手の期待に応えることもその関係の重要な要素でしょう。もちろん、出展しないデスティネーションには送客しなくていいなどという話ではありませんが、まずはその気持ちに感謝することが旅行会社の未来に続く第一歩なのではないかと思います。(松本)
▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2016年05月20日0時~05月27日18時)
第1位
◆豪州、座席増追い風に、持続可能な回復めざす(16/05/24)
第2位
◆日本航空、イベリア航空とも共同事業、ATIを追加申請(16/05/22)
第3位
◆ツーリズムEXPO2016、18万人の来場目標-フォーラム強化(16/05/25)
第4位
◆スペイン、成田含むオープンスカイ合意、共同運航も(16/05/22)
第5位
◆別府市長、夏までの回復めざす、クーポンも活用(16/05/23)
第6位
◆HIS、浦安に14軒目の新ホテル、17年3月に(16/05/23)
第7位
◆「クルーズフェスタ」開幕、市場拡大に向け多業種が協賛(16/05/22)
第8位
◆アリタリア、18年ぶりに新制服、7月上旬から導入(16/05/24)
第9位
◆JTB、新宿店に初のハワイ専門フロア、さらなる需要取込へ(16/05/23)
第10位
◆観光庁、日本初の全世界的「東北DC」、OTAと連携も(16/05/24)
※除外した記事(本来は10位以内にランクイン)
◆週間ランキング、1位はLCCアライアンス、各社の路線拡充も(16/05/20)
◆人事、日本旅行管理職-6月1日付(16/05/23)