ドイツ、日本回復に向けプロモ強化、周辺国とも協力-GTM2016
都市と自然の組み合わせを訴求
今夏にはオーストリアやスイスとセミナーも
今年で42回目を迎えたドイツのインバウンド旅行商談会「ジャーマン・トラベル・マート2016 (GTM2016)」が4月中旬、ドイツ北部の都市マグデブルクで開催された。2015年、ドイツの海外旅行者宿泊数は前年比5.4%増となったものの、日本人宿泊数は3.5%減と前年割れ。アジアからの旅行者の宿泊数が14.3%増と大きく伸びたなかで、日本市場の厳しい現実が改めて突きつけられた形となった。日本市場の底上げをねらうドイツ観光局(GNTB)の戦略などを中心に、今年のGTM2016をレポートする。
アジア市場急拡大も、日本のシェアは1.5%に
アジアからドイツへの旅行者が急増している。15年のマーケットシェアも全体の12.6%にまで拡大した。特に香港を含む中国からの旅行者の宿泊数が増加の一途を辿っており、昨年の実績は24.8%増の253万9000泊。このほか、韓国からの旅行者も増加しており、16.8%増の58万5000泊となった。
中国については、宿泊数のみならず収益の点でも巨大市場になっており、昨年の実績は前年の29億ユーロを上回る34億ユーロ。米国、スイスに次ぐ第3位の規模となっている。GNTBのCEOのペトラ・ヘードルファー氏は現地でおこなわれた記者会見で「アジアにはまだ大きな潜在性がある」と話し、今後のさらなる成長に期待感を示した。
そのような状況のなか、日本市場の存在感は薄くなりつつあるのが実情だ。15年の宿泊数は3.5%減の121万2000泊。国際市場でのシェアも00年のピーク時の4.0%から1.5%にまで落ち、ランキングも中国が11位のところ、日本は17位にとどまっている。しかし、GNTBアジア・オーストラリア地区統括局長のレイカート・ケッテルハーケ氏は、「今年に入って、減少率は縮小傾向にある。パリやブリュッセルでのテロの影響はあまり感じない」と話し、回復に期待感を示した。