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バス事故委、中長期的対策の検討開始-処分強化へ会議体も

  • 2016年4月27日

 国土交通省の「軽井沢スキーバス事故対策検討委員会」は4月26日、第8回の会合を開催し、検討している再発防止策のうち中長期的な対策に関する議論を開始した。同委員会は3月末の前回会合で中間整理をおこない、旅行業界とバス業界による通報対応組織の設置など、短期的な対策をまとめたところ。この日は旅行会社と貸切バス事業者の取引環境の適正化について事務局が検討の方向性を提示した。

 事務局は「今後具体化をはかるべき事項」として、日本旅行業協会(JATA)や日本バス協会などがまとめた「安全運行パートナーシップガイドライン」の名称を「安全運行パートナーシップ宣言」に変更することを提案。安全情報の提供や適正な運賃などの収受に関する記述を追加する案を示した。

 そのほか、安全情報の提供に関して省令を改正し、比較サイトで安全性を評価する認定マークなどが掲載されるよう、国交省が貸切バス事業者に安全情報の報告を義務付けて公表することを提案。車体への先進安全技術の搭載状況の表示については、ガイドラインを策定する考えを打ち出した。

 「引き続き検討すべき事項」としては、違反のあった旅行業者への行政処分などの強化やランドオペレーターへの対応について、具体的な制度設計を検討する場を観光庁に設置する案を示した。情報伝達の強化については、バス協会非加入の事業者に対して、管轄する運輸局などから受信確認機能を付した電子メールで制度改正などの情報を配信することを提案した。これらの提案について、委員からは特段の異論はなかったという。

 次回の会合は5月20日を予定。引き続き関係者との調整を進めながら検討を続け、今夏を目途に総合的な取りまとめをおこなうという。