ランデヴー・フランス、日本市場の回復に期待、地方を訴求

  • 2016年4月21日

JATAとの関係強化で日本市場再生へ
仏文化や地方の観光素材をアピール

大勢の人で賑わうRDVEF会場の入口  4月5日と6日に、フランス南西部のラングドック・ルシヨン・ミディ・ピレネー地方(LRMP)のモンペリエで、フランス最大のツーリズム・トレードショー「ランデヴー・アン・フランス(RDVEF)2016」が開催された。昨年11月にパリで起きた同時多発テロ事件以降、需要の低迷が続くフランスだが、日本から参加した旅行会社は43社にのぼり、過去最多を記録した。需要回復に向けた現地の取り組みとワークショップの様子を報告する。


日本の旅行会社からの注目高く
フランス、旅行会社経由の情報発信に期待

RDVEFの会場の様子  RDVEF2016は今年で11回目の開催で、出展者は現地観光局やツアーオペレーター、ホテルなど740社・団体。バイヤーとして世界73ヶ国から約900の旅行会社が参加し、2日間で2万2746件の商談がおこなわれた。参加社・商談件数ともに昨年と同水準で、パリの同時多発テロ以降も、フランスがデスティネーションとして依然として世界中から高い関心を集めていると言える。

 日本からは首都圏のほか関西、九州など全国から過去最高となる43社が参加。旅行会社からは「やはりフランスは大事な市場」「フランスの現状を見て消費者に伝える良い機会」「こういう時だからこそ現地のツアーオペレーターと直接話し、新しい情報を得たい」という意見が挙がった。各参加者はイベントの主催地方であるLRMPをはじめ、フランスの各地方が主催した計46の研修ツアーのなかから、各社の方針に沿ったものに参加した後、モンペリエでの商談に臨んだ。

(右から)フランス観光開発機構のマゼンク氏、LRMPのダウラス氏.jpg  昨年11月以降、依然として需要の回復の鈍い日本では、今年の1月に日本旅行業協会(JATA)が在日フランス大使館とフランス観光開発機構の要請を受けて同国に視察団を派遣。現地の安全対策の取り組みなどを視察し、業界関係者との意見交換会を実施した。こうした状況も踏まえ、同機構日本代表のフレデリック・マゼンク氏は「フランス旅行市場の状況が厳しいなか、数多くの旅行会社がRDVEFに参加し、フランスの現状を実際に視察する機会となったのは非常に有意義」と語り、今後の需要回復策として「旅行業界への取り組みは特に重要」と強調した。

 同機構ではJATAとの連携を強化し、4月に「フランスへの日本人旅行者送客強化のための2016年協力覚書」を交わしたところ(関連記事)。一般消費者に対しては「さあ!あなたを待つフランスへ。」をスローガンとしたキャンペーンを実施中。さらに、16年の観光親善大使にフランス在住者であるフリーアナウンサーの中村江里子さん、プロロードレーサーの新城幸也さんを任命した。「現地からの視点」を重視し、安全性に関する情報など、よりリアリティのある情報発信をおこないながら、需要の喚起をはかる考えだ。