全日空、夏に欧州チャーター14往復、JTBとクラツーが販売
全日空(NH)は今年の夏、欧州にチャーター便を14往復運航する。内訳はスイスに6往復、クロアチアとスロヴェニアの2国に6往復、アイスランドに2往復で、日本発が対象。NHによれば、欧州の観光シーズンに、直行便がなく、かつ旅慣れた旅行者のニーズが高い都市にチャーター便を運航することで、旅行需要の掘り起こしをめざす。
期間は6月25日の日本発から、10月1日の現地発まで。日本発、現地発ともに毎週土曜日に運航する。使用機材はボーイングB777-300ER型機1機で、座席数はファーストクラス8席、ビジネスクラス52席、エコノミークラス204席の計264席。
スイスは成田発着を4往復、福岡、関空、新千歳発着をそれぞれ1往復運航。成田発チューリッヒ行き、ジュネーブ発成田行きのように、往路と復路で現地の異なる空港を利用する。クロアチアとスロヴェニアについては成田発着を3往復、仙台、中部、関空発着を各1往復設定し、ドブロヴニクとリュブリャナを片道ずつ利用する。アイスランドは成田/レイキャビク間を往復で運航する。
チャーターの用機者は、成田/スイス間の1往復と成田/クロアチア・スロヴェニア間の1往復の計2往復がクラブツーリズムで、残りの12往復はジェイティービー(JTB)。各社ともすでに旅行商品の販売を開始している。
クラブツーリズムによれば、予約状況は好調で「出発まで2、3ヶ月あるが、半分は埋まっている」状態。日系航空会社がチャーターをおこなうことで「顧客に安心感を持っていただきやすい」という。JTBではルックJTBを中心に商品を造成しており、同社広報室によれば、欧州は昨年11月にパリで発生した同時多発テロ事件以降、苦しい状況が続いているが、「苦しい時こそルックJTBのファンを増やすチャンスであり、手を緩めず積極的に展開していく」という。今回のチャーターを実施する4ヶ国については「直行便がないことから通常は行きにくいが、もともと需要はある地域」と期待を示した。