Marriott Bonvoy
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ブルガリアとセルビア、「観光センター」設立、SIT獲得へ

  • 2016年4月11日

ブルガリア政府観光局のロゴ  バルカン半島諸国との経済・文化交流を推進している一般社団法人の日本南東欧経済交流協会はこのほど、都内に両政府公認の「観光センター」を開設した。昨年にブルガリア観光省およびセルビア貿易・観光・通信省との間で、それぞれパートナーシップ協定を締結したことを受けたもの。両国の日本における観光局としての役割を務めて認知度を高めるとともに、SITを中心に日本人旅行者の獲得をめざす。3月下旬には日本旅行業協会(JATA)の会員企業向けにセミナーも開催し、40社以上が参加した。

セルビア観光局のロゴ 2つのセンターの窓口を務める、南東欧経済交流協会専務理事の佐々木文徳氏によれば、これまで両国政府は、ともに日本語による観光情報サイトや資料などは作成してきたものの、積極的なプロモーションはおこなってこなかったという。15年の日本からブルガリアへの旅行者は1万2000人程度で、セルビアは5000人程度。日本からの直行便はないため、両国へはターキッシュエアラインズ(TK)やルフトハンザ・ドイツ航空(LH)などを乗り継ぐのが一般的なのアクセス方法となる。

 今後は2ヶ国共同または単独で、年2回程度の旅行会社向けセミナーなどを開催したい考え。また、ファムツアーやプレスツアーについても「年内には実施したい」という。16年以降の日本人旅行者数の目標については、今後の状況を見て検討する。

南東欧経済交流協会の佐々木氏  当面は両国ともにシニア層のSITの取り込みをはかる考えで、小規模グループのツアー造成などを促進。ブルガリアについては6月上旬のバラ祭りを軸にしたツアーが多いが、今後は世界遺産にも登録されている「カザンラックのトラキア人の墳墓」などの遺跡や、トレッキング向けのロドピ山脈エリアなども訴求する。なお、佐々木氏によれば、同国は隣国のルーマニアとあわせた周遊ツアーが多いが、セルビアと歩調をあわせた背景には、同じスラブ民族国家で文化や歴史の面で共通点が多いことがあるという。

 セルビアについてはレペンスキ・ビール遺跡などに加えて、グチャで毎年夏におこなわれるトランペット・フェスティバル、ドナウ川沿いのジェルダップ国立公園などをアピー。また、セルビア単体でのツアー造成は難しいことから、「シニア向けには、馴染みやすいよう『旧ユーゴスラビア諸国』の括りでアピールする考えもある」と説明っし、クロアチアやスロベニアなどとも連携をはかりたい考えを示した。そのほか、地方の小さな村などの魅力も伝えていきたいという。

 佐々木氏は両国の治安については、現在は政治的にも経済的にも安定している旨を説明。2国のうちブルガリアはトルコと国境を接しており、かつてはシリアなどからの難民の流入に悩まされていたが、現在ではフェンスを設けて流入を防いでいることなどから、観光への影響は少ないとの見方を示した。