国交省、羽田ビジネスジェット緩和でパブコメ、発着枠増など
国土交通省航空局はこのほど、羽田空港を利用するビジネスジェットの規制緩和に向け、通達2種の改正に関するパブリックコメントの募集を開始した。同局によれば、2015年の羽田におけるビジネスジェットの発着回数は前年比22%増の2912回と大きく増加。しかし発着枠や駐機スポットの不足などで、高まる需要に十分に応えられていないため、受入環境の改善をはかる。
改正の対象となる通達は、「ジェネラルアビエーションによる東京国際空港の利用について」と「東京国際空港の発着調整基準に係る運用基準について」で、改正案では羽田の昼間時間帯におけるビジネスジェットの発着枠の増加をはかる。現在は、公用機やビジネスジェット、海上保安庁の航空機、航空局の飛行検査機、マスコミの航空機などのための「公用機等枠」として1日あたり到着15回、出発15回の計30回を確保しており、このうちビジネスジェットについては出発と到着をあわせて1日8回までとしているが、これを1日16回に引き上げる。あわせて、1日4回までとしていた到着回数の上限を撤廃する。
また「公用機等枠」には時間帯ごとに回数制限があるが、定期便の未使用枠がある場合は、回数制限にかかわらず未使用枠を公用機等枠として利用できるようにする。このほか、30回の発着枠内の調整における、ビジネスジェットの優先順位を引き上げる。
さらに、12ヶ所ある専用駐機スポットの駐機可能期間を、稼働率の向上に向けて最大10日間から最大5日間に短縮する。また、大型機対応用の2ヶ所については、運航者または運航者が地上運航支援業務を委託した業者が、機体の移動を自走式ではなく牽引車を使って移動させる「トーイング方式」でおこなう場合に限り、複数航空機の駐機を可能とする。このほか、突発的な事象によりビジネスジェット機用の駐機スポットが使用できない場合、予備の駐機スポットまたは格納庫を確保し、使用できるようにする。
パブリックコメントの応募締切日は4月15日必着で、4月下旬には通達を改正し、施行する見通し。航空局によると、今後は成田空港についてもビジネスジェットの規制緩和を検討していきたいという。