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全旅、新ビジネス創出へ投資(3) 事業自立へ基金を創設

-具体的なアイデアはあるのですか。

 私案ですが、全旅の営業所で自立を目指した事業への基金を創設したいと考えています。

ゼロから1を2を必死で創る

 新事業で初期費用が必要な時に全旅の基金から支援をする。これは鹿児島県旅行業協同組合が行政から支援を受けて、着地型旅行ブランド「魅旅」を立ち上げ自立できた経験があるからです。失敗を恐れて足踏みするのではなく行政に頼らなくても全旅が支援することで、いま日本の中で一番の主要産業になりつつある観光をビジネスチャンスとして生かすためです。

-クーポン事業は。

 我々の仕入力は限界があります。毎日ホテルを数千室仕入れていけるわけではありません。そこは業務提携をしている日本旅行の力を借りるべきです。また全旅クーポンの観光券はお寺できれません。会員は現金で払い手数料はゼロ。日本旅行のクーポンでは可能です。そこを補わさせてもらい手数料をいただく。会員のメリットは小さくないと思います。またクーポンレス、バウチャー式にも取り組んでいきたいと思っています。発券経費の経費削減にもつながりますし、今や航空券はeチケットです。それが時代の流れですから。

-日本旅行との関係を強化するのですか。

 現状、日本旅行との関係は旅行業代理業というような段階に留まっています。そうではなくて、うちの会員が革新的な利益を実感できるような事業内容に進化させ、今まで我々がチャレンジできなかった法人組織の共同受注やイベントの開催などをやっていきたい。

 我々は信用力や仕入力が弱い反面、地域に根ざした人間関係は日本旅行にない。お互いのマイナス面を補い、プラスに転換していく。それが本来の業務提携です。そういった文化をつくっていきたいですね。

-会員に一言。

 会員の皆さんのニーズを吸い上げることによって全旅の求心力を上げていきたい。会員視点に立った会社として、会員の利便性を考え、経済的な活動で会員貢献を実現する。そのために、まずは実行していく。口ばかりではゼロ。ゼロから1を2を必死で創っていきたいと強い決意です。

 なかま・みきお=鹿児島県南大隅町出身、62歳。趣味はゴルフ。最近始めた山歩きでリフレッシュするのも楽しみ。

 (トラベルニュースat 16年3月10日号)

(16/03/24)


情報提供:トラベルニュース社