日本政府観光局（JNTO）によると、2016年2月の訪日外国人旅行者数（推計値）は前年比36.4％増の189万人で、2月として過去最高を記録した。単月としては15年7月の191万8356人に次ぐ過去2位となった。

　JNTOによると、1月に引き続きアジア地域で旧正月休暇の訪日需要が増加。旧正月休暇シーズンの2月に加えて、学校の冬休み期間の変動などで1月に休暇の前倒しが発生しており、1月と2月の合算では43.7％増の374万3000人となった。このほか、継続的な訪日旅行プロモーションの効果や航空路線の増加、燃油サーチャージの下落、円安による割安感の定着なども増加を後押しした。

　主要20市場では、全市場が前年を上回り、ロシアを除く19市場で2月の過去最高を記録した。訪問者数が最も多かったのは中国で38.9％増の49万8900人。2位の韓国は52.6％増の49万800人で、1月からの累計では48.0％増の100万5700人となり、20市場で最も速く100万人を超えた。観光庁によると、2月6日から10日までの同国での旧正月休暇のほか、LCCが昨年の冬ダイヤと比べて週100便以上増加したことなどが影響したという。3位は台湾で25.7％増の34万9000人、4位は香港で38.8％増の15万1800人、5位は米国で14.3％増の6万7600人だった。

　最も伸び率が高かったのはベトナムで、85.5％増の1万7600人と大幅に増加し、50ヶ月連続で前年を上回った。JNTOによれば航空路線の増加や、2月6日から14日までの同国の旧正月休暇にあわせたプロモーションを展開したことなどが増加につながったという。

　JNTOではイースター休暇や桜シーズンの到来などにより、3月についても引き続き、訪日旅行需要の増加が期待できるとの見方を示している。