KNT個人、16年は売上5%増目標に-海外はクラツー企画商品に期待

  • 2016年3月8日

▽国内は販売力を強化、宿泊在庫管理も

首都圏営業本部部長(国内担当)の守本氏 国内旅行商品については、昨年1月に販売を開始した「メイトセレクト」のシリーズ名を、利用者にとってより分かりやすい「旅のおすすめ」に変更し、引き続き重点商品として販売する。同シリーズは添乗員が同行しないツーアップのツアー商品で、50歳から60歳ぐらいまでがメインターゲット。これまで主力としてきた、移動手段や宿泊施設などを多くの選択肢のなかから選ばせる「素材型」の商品とは異なり、同社が行程や内容を絞り込んで利用者が選びやすいようにした「提案型」の商品で、結果的には販売担当者の労力や時間も軽減したという。

 首都圏営業本部部長(国内担当)の守本氏によれば、1年目の販売状況は「『はじめての沖縄旅行』などヒットしたものもあれば、結果が出ないものもあった」とのことで、今後は販売体制の強化をはかる考え。利用者には「商品や現地の情報をしっかり理解してもらう必要がある」ことから、今後は電話とテレビ電話による相談サービス「旅のコンシェルジュ」などを活用して、利用者に「旅行会社ならではの情報」を提供する。

 「旅のおすすめ」以外では、富山県の宇奈月温泉で3月27日まで開催中の「宇奈月温泉百名月物語」や、KNT-CTが一昨年から開始した「ミュージック花火」など、地域でのイベントを軸にした商品に注力して「オフシーズンの旅行客を動かす」考え。また、3月に新幹線が開通する北海道や、5月にG7サミットが開催される伊勢志摩、NHK大河ドラマ「真田丸」の関連商品などにも注力する。

 守本氏によれば、15年の同社の国内旅行販売額は前年比1%減となる見込み。3月に新幹線が開業した北陸方面や、首都圏や関西のホテルの取り扱いなどが好調だったものの、「シルバーウィークやふるさと割、訪日旅行の盛り上がりなどで国内旅行が盛り上がっていることを考えれば物足りない結果」だったという。16年の目標は前年比5%増で「国内旅行の基本はやはり宿泊在庫の維持と有効活用」との考えから、引き続き消化率や単価の向上に取り組む。

 早期の需要の取り込みについては「我々も早期販売を重視するが『早く安く売る』という発想はない」と説明。「在庫を早く高く売るためには、商品の流通を早めるしかない」として、在庫管理やウェブサイトでの早期発売などに取り組む考えを示した。